総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社が、世界16カ国、1万2,000人以上の労働者を対象に実施した「グローバル・タレント・バロメーター」の結果が発表されました。この調査は、労働者が求めているものや意識をより深く理解することを目的としており、世界の労働者の「ウェルビーイング」「仕事の満足度」「自信」を測定する指標となっています。
調査の結果、日本の労働者のウェルビーイング指数は42%と、グローバル平均64%を大きく下回りました。特に、「会社の価値観に共感している労働者の割合」は、グローバル平均71%に対し、日本はわずか41%にとどまりました。これは、日本の労働者が、自分の仕事や会社に目的を見出したり、価値観に共感したりすることが難しい状況にあることを示唆しています。
仕事の満足度指数についても、日本は49%と、グローバル平均63%を下回りました。唯一、グローバル平均を上回ったのは「現在の仕事に対する満足度」で、今後6か月で自分の意志で退職する可能性が低いと回答した割合は63%でした。これは、日本の労働者が現在の仕事に満足している一方で、仕事に対する意欲や将来への期待感が低いことを示しているのかもしれません。
自信度指数は、グローバル平均74%に対し、日本は46%と、最も大きな差が見られました。自分の能力を最大限に発揮するために必要なテクノロジーやツールが揃っていると感じている労働者の割合は、日本はわずか44%で、グローバル平均より34ポイントも低いという結果でした。これは、日本の労働者が、自身のスキルアップやキャリアアップに必要な環境が整っていないと感じていることを示しています。
マンパワーグループ北米地域プレジデント兼チーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)のベッキー・フランキウィッチ氏は、「人々が仕事に何を求めているのかを理解することは、成功に必要な人材を惹きつけ定着させる上で重要です。今回の調査によって、労働者が現在および将来の仕事のあり方についてどのように感じているのかを知ることができ、雇用主の皆さまが従業員のニーズを理解し、競争の激しいグローバルな人材市場で優位に立つためのベストプラクティスを明らかにすることにも役立ちます。」とコメントしています。
今回の調査結果は、日本の労働者が抱える課題を浮き彫りにしています。企業は、従業員のウェルビーイングや仕事の満足度を高めるために、働き方改革や能力開発の支援など、より積極的な取り組みを進める必要があるでしょう。