NECが無人駐車場の実現へ向けたAI技術検証を開始

NECが無人駐車場の実現に向けた新たな取り組みを始動

NECは、AI技術の活用によって機械式駐車施設の無人化を実現するための実証試験を開始しました。この実証は、オペレーターの業務負担を軽減しつつ、利用者にとっても安全で便利な駐車体験を提供することを目指しています。

背景

近年、日本は少子高齢化が進行し、労働力不足が深刻な問題となっています。この社会的背景から、オフィスビルやホテル、商業施設に設置された機械式駐車場では、営業時間の短縮や営業の取り止めが行われるケースが増えてきました。特に夜間の車の入出庫が少ない時間帯では、オペレーターの確保が難しくなることがあり、その結果、駐車サービスが提供されにくくなることが懸念されています。これにより、オペレーターの就業環境を改善し、新規採用や定着率を向上させることが急務とされています。

実証試験の概要

実証試験は、東京の港区にあるオフィスビルに併設された機械式駐車施設で、3月21日から始まります。この実証の期間は約2ヶ月で、夜間帯やその後の解析作業も含まれています。AI技術を搭載したカメラを用いて、入庫時の降車確認や入出庫時の駐車施設内への侵入検知などの実現可能性を検証します。特に、荷物や傘などに隠れた人物検出の精度や、複数の人物が重なる状況における検出能力が評価されます。また、最適なカメラの台数や設置位置についても検証が行われます。

未来展望

NECは、この実証の進行と並行して、誰でも簡単に駐車施設を直感的に操作できる新しいUIデバイスの開発にも取り組んでいます。これらの技術を組み合わせることで、機械式駐車場の無人化モデルを確立し、社会に実装することを目指します。最終的には、駐車場の完全な無人化を実現し、デジタルトランスフォーメーション（DX）の加速に寄与することを考えています。また、駐車場とオフィスビル、ホテル、商業施設、マンションなどの施設を連携させることで、パスワードやカードキーに依存しない便利で安心なショッピングや入退場を実現することも視野に入れています。

このように、NECは最新の技術を駆使して、駐車場業界の革新を進めています。今後の実証試験の結果に大きな期待が寄せられています。