監査法人のガバナンスからサステナビリティ開示まで:日本IFIARネットワーク第8回総会が開催

監査法人のガバナンスからサステナビリティ開示まで:日本IFIARネットワーク第8回総会が開催



金融庁主催の日本IFIARネットワーク第8回総会が、令和6年5月27日、金融庁内会議室にて開催されました。今回は、対面会議とオンライン会議を組み合わせたハイブリッド形式での開催となり、国内外の監査関係者、専門家などが参加しました。

会議では、最近の企業開示・監査を巡る動向、公認会計士試験や監査監督に関する内外の動向、IFIARからの最近の活動報告などが報告された後、参加者による活発な議論が行われました。

特に注目を集めたのは、以下の3つの共通テーマに関するディスカッションです。

テーマ(1)監査法人のガバナンス



上場会社等監査人登録制度が法定化されたことで、監査法人のガバナンスコードの役割はますます大きくなると考えられています。監査法人のガバナンスコードの適用状況について、より透明性を高める必要性や、中小監査事務所への浸透も課題として指摘されました。また、監査の担い手の質・量の確保に向けて、監査・保証の業務の魅力を高めること、企業の監査役が監査人の質や開示をしっかり確認することの重要性が強調されました。

テーマ(2)サステナビリティ開示・保証



サステナビリティ情報に関する保証業務については、監査法人以外の保証業務提供者に対しても、財務諸表監査と同様の自主規制と監督機関のフレームワークが適用されることを期待する声が上がりました。グリーンウォッシングを防ぐため、開示と保証は同時に開始されるべきという意見も出されました。

具体的な課題としては、企業の負担軽減、国際的な動向との整合性、人材育成などが挙げられました。また、サステナビリティ開示に関する工程表や記述情報の開示の好事例集を浸透させる必要性も指摘されました。

テーマ(3)監査におけるテクノロジーの活用



生成AIを含む各種監査ツールの活用が期待されています。特に、不正リスクシナリオや不正の兆候の分野でAIの利用が効果的であるとされています。ただし、AIを活用した分析結果に対する専門的な判断の重要性が強調されました。AIを活用する上で、専門家の育成やAIによる分析結果に対する深い理解が不可欠であることが改めて認識されました。

監査の未来に向けて



今回の総会では、監査法人のガバナンス、サステナビリティ開示・保証、監査におけるテクノロジーの活用といった重要なテーマについて、多岐にわたる議論が展開されました。これらの議論を踏まえ、金融庁は今後も監査の質向上や健全な市場の発展に向けて積極的に取り組んでいくことが期待されます。

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