カーボンクレジット創出の新たな航路
Green Carbon株式会社(以下グリーンカーボン)は、カンボジアにおいて新たな水田由来のカーボンクレジットプロジェクトを開始し、持続可能な農業の実現に向けて動き出しました。このプロジェクトでは、カンボジア王立農業大学(RUA)との連携を通じて、AWD(間断灌漑)という手法を用いたメタンガスの削減に取り組み、地域の農業と経済の発展に寄与します。
AWDプロジェクトとは?
AWDは、水田の水位に応じて入水と自然乾燥を繰り返すことで、水の使用量を削減する技術です。この手法は、水資源の保全に寄与しつつ、米の収穫量を向上させる効果も期待されています。グリーンカーボンは、既存のバイオ炭プロジェクトと組み合わせて、さらに農業生産性を高めるプランを掲げています。
RUAとのパートナーシップ
RUAはカンボジア国内でのAWDプロジェクト推進に協力し、現地農家に対する技術の紹介やメタンガスの計測を行います。一方、グリーンカーボンはカーボンクレジットに関する専門知識を共有し、必要なデータ収集やカーボンクレジットの発行、販売を担当します。具体的には、2024年10月10日からカンボジア北西部のバタンバン州で約64haの土地を使い、このパイロットプロジェクトを開始します。
経済発展への寄与
このプロジェクトが成功すれば、カーボンクレジットの創出を通じて、地域の農家に新たな収益源を提供します。ただ単に環境保護にとどまらず、カンボジアの経済全体の活性化に繋がる可能性があります。具体的な数値目標としては、将来的にこのプロジェクトの拡大により、カーボンクレジットの発行量が増加し、より多くの農家がその恩恵を受けることが期待されています。
バイオ炭プロジェクトとの連携
グリーンカーボンは、AWDプロジェクトと同時に、バイオ炭の活用も推進しています。特に稲作の残渣(籾殻)を用いたバイオ炭プロジェクトは、AWDとの親和性が高く、これを農地に施用することにより、米の収穫量を増加させることができるとされています。これにより、持続可能な農業開発が一層進むことが期待されます。
東南アジア全域への展開
カンボジアでの成功を足掛かりに、グリーンカーボンは今後、東南アジア諸国へもAWDとバイオ炭を組み合わせたプロジェクトを広げ、脱炭素社会実現に寄与する考えです。地域に密着した持続可能な取り組みを通じて、環境問題の解決と経済の発展を両立させることが目指されています。これにより、国際的なエコシステムの一翼を担う存在へと成長することを期待しています。
まとめ
グリーンカーボンは、カンボジアの農業大学との強力なパートナーシップを基盤に、新たなAWDプロジェクトをスタートさせました。持続可能な農業の実現と共に、地域の経済発展を目指すこの取り組みは、今後の農業のあり方を変える可能性を秘めています。私たちはその動きを通じて、環境と経済の健全な調和を図ることができるでしょう。