コロナワクチン開発
2020-10-01 17:10:02
KAICOとユーグレナが新型コロナワクチン開発で手を組む意義と展望
株式会社KAICOと株式会社ユーグレナが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン開発を目的とした共同研究契約を締結しました。KAICOは日本の九州大学から派生した企業で、カイコを利用したタンパク質生産技術を用いており、特に難発現タンパク質の製造に特化した研究を行っています。一方のユーグレナは、微細藻類ユーグレナを活用した革新的なバイオテクノロジー技術を持ち、両者の専門知識を融合させることで、ワクチン開発の新しい可能性が広がります。
KAICOは、九州大学農学研究院の日下部教授の手法に基づくカイコを使ったタンパク質の折りたたみ法を駆使し、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(三量体)の開発に成功しました。この成果は、抗体との結合も確認されたことから、今後のワクチン開発に大きな期待が寄せられています。
共同研究の内容では、KAICOが新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の改良や量産に取り組み、ユーグレナがそれを基にワクチンの実用化へ向けた研究を行います。これにより、ユーグレナ社は10月1日に開設した「東北大学病院ユーグレナ免疫機能研究拠点」において新型コロナウイルスに対する新しいワクチン開発を進めることになります。
新型コロナウイルスワクチンの開発は、パンデミック以来、世界中で急速に進められていますが、KAICOとユーグレナの協力により、これまでにない技術の集結が実現します。特に、KAICOのカイコを活用したタンパク質の生産技術は低コストで大規模な生産が可能であり、医療分野における可能性は無限大です。
九州大学の研究室での技術導出を基に、KAICOはバイオ医薬品の市場においても注目されています。近年は、バイオ医薬品の需要が増加しており、カイコによる再生医療用試薬や診断薬の需要も高まっています。KAICOの持つ独自の生産プラットフォームは、これに対する最適なソリューションを提供します。
また、KAICOでは、カイコを用いた発現技術を駆使して、目的のタンパク質を大量生産する仕組みを構築しています。バキュロウイルスを用いて、カイコ体内で目的のタンパク質を効率的に生成し、その後精製するというプロセスは、他の技術に対しても優位な点が多いとされています。
KAICOとユーグレナの協業によって、新型コロナウイルス感染症に立ち向かう新たな医療の形が生まれ、全世界の人々の健康を守る取り組みに繋がることが期待されます。今後の進展から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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KAICO株式会社
- 住所
- 福岡県福岡市西区九大新町4-1福岡市産学連携交流センター
- 電話番号
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092-707-4016