メルク、半導体検査装置メーカーUnity-SCを買収完了!オプトロニクス事業強化で次世代技術へ挑む
メルク、半導体事業を強化する買収劇!次世代技術開発への野望
世界有数の科学技術企業であるメルクが、半導体計測・検査装置メーカーのユニティSCを買収し、その事業拡大に大きな一歩を踏み出しました。買収額は1億5500万ユーロにのぼり、今後の業績次第では追加報酬も支払われるとのことです。
この買収劇の目的は、メルクのエレクトロニクス事業における半導体業界向けソリューションの強化です。特に、AIアプリケーションやヘテロジニアスインテグレーションといった最先端技術分野への進出を加速させる戦略の一環と言えるでしょう。
メルクは、長年培ってきたディスプレイ技術における光学技術の知見を活かし、事業部門名を「オプトロニクス」へと改称。液晶ディスプレイ(LCD)や有機EL(OLED)ディスプレイの研究開発で蓄積された光学物理学や材料に関する深い専門性を、半導体技術と融合させることで、新たな価値創造を目指しています。
カイ・ベックマンCEOは、この買収について、「半導体技術の高度化に伴い、包括的なソリューションと精密な計測・検査装置の需要が高まっている。ユニティSCの買収により、メルクの半導体・光エレクトロニクス製造向け計測ソリューションのポートフォリオが大幅に強化された。」とコメントを発表。材料、供給、計測・検査を統合することで、次世代半導体の迅速かつ効率的な生産に貢献できると確信を示しています。
ユニティSCは、AI、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、広帯域幅メモリ(HBM)関連アプリケーションで使用されるチップシステムの品質向上に貢献する計測・検査ソリューションを提供する企業です。高精度な検査装置は、AIデータセンターや自動運転、スマートフォンなど、高度な性能が求められる分野で活躍する高性能チップの製造に不可欠な存在です。
メルクのオプトロニクス部門は、光通信技術を活用したチップ上での高速データ伝送による次世代コンピューティング技術の実現を目指しており、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、複合現実(MR)といったアドバンスト・リアリティ分野への進出も視野に入れています。
フランスのグルノーブル近郊に拠点を置くユニティSCは約160名の従業員を擁し、そのうち70名が研究開発に携わっています。メルクは、ユニティSCの従業員を迎え入れることで、エレクトロニクス事業の従業員数を約8000名に拡大。企業文化を共有し、半導体業界における更なる事業拡大を目指します。
今回の買収は、規制当局の承認と一般的な買収条件の履行を経て完了しました。メルクは、ヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスの分野で世界をリードする企業として、今後も技術革新を続け、人々の生活向上に貢献していくでしょう。
会社情報
- 会社名
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メルクエレクトロニクス株式会社
- 住所
- 東京都目黒区下目黒1-8-1アルコタワー5F
- 電話番号
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