中小企業の物価高への影響と賃上げの現状
株式会社フォーバルが運営するフォーバル GDXリサーチ研究所は、2024年8月30日に中小企業の物価高への対応について調査した「BLUE REPORT 9月号」を発表しました。このレポートでは、物価高の影響を受けている中小企業の状況や今後の対策について、具体的なデータをもとに分析されています。
物価高が及ぼす影響
レポートによると、約76.6%の中小企業が物価高の影響を受けていると回答しています。これは、調査対象企業の大半が何らかの形で物価上昇によるマイナスの影響を被っていることを示しています。更に、円安の影響を受けている企業も49.9%に上り、特に製造業では物価高による影響が87.8%と高い数値を示しています。
具体的な対策
物価高に対する具体的な対策として最も多かったのは「価格転嫁」であり、これに該当する回答は251件でした。中小企業が価格転嫁を試みる中で、実際には取引先との協議が必要ですが、難しい状況に直面することが多いようです。約2割の企業が協議を行うことができなかった、または協議が通らなかったと回答しました。
さらに、物価上昇に対抗するために商品やサービスの値上げを検討している企業も約7割に達しています。これは価格転嫁が進んでいることを示していますが、依然として課題が残る状況です。
賃上げの現状
賃上げの実施状況については、調査対象の56.0%が賃上げを実施していると回答しています。これは実際に賃金を引き上げている企業の割合を示しており、景気が上向きつつあることを示唆しています。ただし、賃上げを行っていない企業も43.9%存在し、これは賃上げが不要と考える企業もあることを考慮する必要があります。
今後の展望
今後においては、政府が中小企業への労務費上昇分の価格転嫁を支援するための環境整備を進めている必要があります。中小企業が持続的に成長するためには、物価高や賃上げの問題が解決されることが不可欠です。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、これからも中小企業のGDX(グリーンデジタルトランスフォーメーション)を支援し、より良い経営環境を実現するための調査活動を続けていく予定です。詳細については、公式サイトをご覧ください。
フォーバル GDXリサーチ研究所
まとめ
物価高の影響を受ける中小企業の状況と賃上げの現状を把握することは、今後の企業戦略にとって重要です。今回の調査結果を踏まえて、さらなる価格転嫁や経営改善が求められるでしょう。具体的なデータに基づく分析は、中小企業の経営者にとって大変参考になるでしょう。