柏の葉中学校での国際学習プロジェクト
9月12日、千葉県柏市にある柏の葉中学校で、148名の1年生を対象にした特別講演が行われました。これは、特定非営利活動法人「なかよし学園プロジェクト」による国際学習の一環であり、2学期中に生徒たちが実施する探究活動への第一歩となりました。これに続く10月2日には、生徒たちがクラスごとに行うワークショップが開催され、ブレインストーミングを通じて多様なアイデアが生まれました。
世界のリアルを知る
9月の講演では「世界のリアルを知って、今、自分に何ができるか」というテーマのもと、対立の背景を“違いへの固執”として捉え、解決の方法を探ることが提案されました。講演者は「同じを見つける」視点を提示し、生徒たちが異なるバックグラウンドをもつ人々との理解を深めるヒントを提示しました。
クラス単位での探究ワークショップ
10月2日のワークショップでは、各クラスが講演で得たアイデアをもとに、具体的なアクションプランを策定しました。なかよし学園が提供するサポートにより、「誰に」「何を」「どのように届けるか」という課題について助言がなされ、学級の特色を活かしたアクションが具体化されていきました。これについて、長島麻利子校長は「生徒たちがそれぞれの特徴を活かして世界に対してアクションできることを嬉しく思っている」と語りました。
交流による「里帰り」の体験
このプロジェクトの前には、柏の葉中学校とその周辺の学校が制作した折り鶴がルワンダの授業で使われる様子がありました。なかよし学園は、現地の生徒たちにその折り鶴とメッセージを手渡し、その様子は柏の葉中学校の教室でも共有されました。この瞬間、生徒たちの国際理解がさらに深まり、世界と自分の距離が近づく瞬間が体験されました。
生徒の成長と今後の展望
生徒たちは「折り鶴が実際に現地に届いた」と知り、感謝のメッセージが返ってくることで、自分たちの活動が世界に影響を与えていることを実感しました。これにより、「作る→届ける→共創→還る」という経験を通じて、当事者意識が高まり、自分も積極的に参加できるという自信を持つようになりました。
今後の計画
このプロジェクトは、2学期まで続き、各クラスが自らの教材を試作し、12月以降にはカンボジアやシリア、南スーダン等で実施されるなかよし学園の海外授業にて活用される予定です。また、これに伴い、同市内の富勢東小学校でも講演が予定されており、市内での学校間連携による国際学習のモデルを広げていくことを目指しています。
学びを社会へとつなぐ取り組み
この取り組みは、教室内での学びを社会や世界に接続し、支援される側から支援する側への意識転換を促すものです。授業の内容は総合や道徳、外国語活動など、幅広い教科にわたって実施可能です。SDGsへの貢献も意識されており、包摂的で質の高い学びを追求する姿勢が見受けられます。
団体概要
なかよし学園プロジェクトは、教育支援や平和教育を行うNPOで、2007年から活動をしています。公式サイトは
こちらです。講演や取材などの問い合わせは、担当の中村里英までご連絡ください(TEL: 047-704-9844、E-mail:
[email protected])。
生徒たちの未来に向けた新たな一歩、柏の葉中学校の国際学習プロジェクトは、今後の展開に期待が寄せられます。