パスタ界のワールドカップで優勝!渕上誠剛シェフの挑戦
1877年創業のイタリアNo.1パスタブランド、バリラが主催する「PASTA CHAMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN」で優勝を果たした渕上誠剛シェフ。彼の優勝パスタ「風土の昇華」は、世界に通用する革新的な一皿として、大きな注目を集めています。
今回の記事では、優勝レシピ試食会・取材会の様子をレポートし、渕上シェフの熱い想いや、パスタに込めたこだわりを紹介します。
世界へ羽ばたく、風土の昇華
「風土の昇華」は、イタリア古来の食材と日本の食材を融合させた、まさに和と洋が調和した一皿。渕上シェフは、コロナ禍を経て「世界が動き始めた」と感じ、今回の大会への挑戦を決意したそうです。
「世界の向こうにはたくさんの人が待っていると感じました。世界の人に自分のイタリア料理を食べてほしいし、世界という舞台で自分がこれまでやってきたことを試したいという気持ちが大きくなり、参加を決めました。」
自然への感謝とサステナビリティへの意識
パスタを生み出す過程では、数々の試行錯誤を重ねたといいます。
「イタリア古来の食材と日本古来の食材のそれぞれの良さを融合してみたいという思いがありました。さらに地元の漁師や農家からとりまく自然環境の変化について聞いたことがきっかけで、地球の未来やサステナビリティということも視野に入れて料理をするべきだと考えるようになりました。」
環境問題への意識の高まりが、料理にも反映されている点は注目すべきです。
イタリア料理の未来を担う若きシェフ
渕上シェフのパスタは、植物由来の材料だけで作られています。しかし、植物性材料だけでは味に深みが出にくいという課題を、独自の工夫で克服しています。
「植物由来の材料それぞれの味わいを引き出して重ねていくことで、全体の味のバランスを取っています。乾燥させたごぼうで、クリスピーな食感と深い味わい、トマトもオーブンで焼いて旨みを引き出しました。また豆乳クリームから抽出したプロテインを藁でいぶしたもので、香りによって味に深みを加えます。他にも国産のヤマブシタケ、たもぎだけなどを使ってさらに旨味を追加します。」
渕上シェフは、後輩たちへの指導にも熱心です。
「これからはイタリア料理を通して得たもののすばらしさを、料理人の後輩たちに伝えていきたい。これまでトライしてきたことが認められたときの喜び、試行錯誤がうまくいったときの小さな喜び、これらが乗じて大きな喜びとなる素晴らしい仕事だということを伝えたいですね。」
アジア大会に向けてさらなる高みへ
日本大会での優勝により、渕上シェフは2024年10月にフィリピンのマニラで開催されるアジア大会への出場権を獲得しました。
「日本にイタリアから本場のイタリア料理を伝えた先輩たちが築いた礎の上に立つ1人として、さらに料理をブラッシュアップして臨みたいです。」
渕上シェフは、アジア大会に向けてさらなる高みを目指し、進化を続けていきます。
バリラグループについて
バリラグループは、創業以来、美味しくて健康的な食を提供することを理念に掲げ、世界中で愛されるパスタブランドとして成長を続けています。
「わが子に食べさせたいものを皆様の食卓へ」という創業時の理念は、今日まで受け継がれ、これからも責任ある方法で生産・管理された上質な食品を通じて、世界中の人々に喜びを提供していきます。
渕上誠剛シェフ プロフィール
17歳で料理業界に入り、2003年に27歳で独立。2013年にイタリア・トスカーナにてイタリアワインソムリエを取得。2015年のミラノ万博では、イル・ギオットーネ笹島シェフのアシスタントとして、ダビデ・オルダーニとのコラボレーションに参加。さらにクラウディオ・サドレルと笹島シェフのコラボレーションディナーのアシスタントとしても参加。2015年9月、「Da fuchigami」をオープン。中洲に移転して「DA FUCHIGAMI HAKATA」とリニューアル。コロナ禍を経て「FUCHIGAMI」として再スタートを切る。