2025年度の決算見通しを発表した社長、厳しい現実と展望を語る
2025年度決算見通しを巡る経営者の見解
2025年度の決算に関する説明会が行われ、細井栄治取締役社長が今後の業績見通しや現状の課題について詳細に語りました。特に注目されたのは、2024年度の決算業績が下方修正された理由や、今後の戦略についての見解です。
業績下方修正の理由
まず、2024年度の純利益が60億円から20億円に減少した背景について説明がありました。主な要因は大きく分けて、ブラジルにおけるガス火力発電プロジェクトと国内の医薬関連案件がそれぞれ20億円の減少、さらにはバイオマス発電に関する2つの案件の工期遅延が5億円、そしてブラジルのモジュールヤードの減損が約13億円と合計で約40億円のマイナスが影響したとのことです。このような厳しい市場環境の中で、今後も利益を出すためには新たな戦略が必要とされています。
2025年度の決算見通し
続いて、2025年度の決算見通しについても言及しました。社長は粗利率の改善が見込まれている背景には、2024年度に受注した案件の質が良いためであると明言しました。また、2023年度に受注した案件もまだ残っており、これらが売上に寄与することから13.3%の粗利率を見込んでいるとも語っています。
その一方で、顧客との交渉が未決着の商談も含まれているかとの質問には、交渉は続いており、その結果次第ではさらなるプラスが期待できるとの回答がありました。これは、企業としての柔軟な対応力を示すものでもあります。
非EPC戦略と粗利率
非EPC案件の増加についても説明されました。細井社長は、非EPC(ソフト案件)を多く受注することが戦略であり、受注額は大きくないものの、粗利率は高いことから、受注額の目標は小さくても粗利率は維持する見込みであると明言しました。これにより、2025年度の計画が実現すれば、過去の業績に匹敵するレベルに維持できる可能性が見込まれています。
資機材価格や労務費の高騰への対応
次に資機材価格や労務費の高騰について質問があり、社長は顧客に対して必要な情報を開示しながら見積もりを進行していると述べました。お客様の理解を得て契約を締結する手法が進行中であり、資機材については3~5%程度の値上げが見込まれているとのことです。
このように市場環境が厳しい中でも、誠実なコミュニケーションを重視し、契約の締結を目指す姿勢が伺えます。
FPSO案件に関する見解
最後に、FPSOに関する質問もありました。2025年度の持分法による受注見込みが2300億円であることについて、これがガイアナとブラジルの新規受注に関するものであるという理解が正しいとされています。特にHammerheadとGato do Matoの受注が含まれるという確認が行われました。今年度の計画としては、これら2件のみと考えられているとのことです。
さらに、限定的着工指示(LNTP)の概念において、Hammerhead受注額に全体の建造費が含まれている理解も確認されました。この分は、当社の持分の35%が受注分として計上されることになります。
最後に
今回の説明会では、業績に対する厳しい現実とともに、前向きな戦略も語られました。業績回復の道のりは簡単ではないものの、社長からは明確なビジョンと実行力が感じられました。株主や関係者にとっても期待が持てる内容となり、注目されることでしょう。
会社情報
- 会社名
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東洋エンジニアリング株式会社
- 住所
- 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目1番地 幕張テクニカルセンター
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