「水木サンのみた暗闇 ―ぬりかべに遭った夜―」とは
水木しげる氏の戦争体験をベースに制作されたオリジナルプラネタリウム作品『水木サンのみた暗闇 ―ぬりかべに遭った夜―』が多摩六都科学館で再演され、その好評から8月29日に追加上映が決定しました。
この作品は、1944年当時のニューブリテン島を舞台に、当時の星空を再現し、声優・古川登志夫氏によるナレーションで物語が語られます。プラネタリウム特有の空間を生かした演出と、戦争という厳しいテーマに対する新たな視点が、多くの観客に感動を与えています。
2000年以上の歴史を持つプラネタリウムの技術と、現代の高性能な映像技術が交わることで、観客は水木氏が目にしたであろう夜空と、彼が戦地で感じた暗闇を体験することができます。
プロジェクトの背景
この作品の開始は、2023年の水木しげる生誕100周年とプラネタリウム100周年を記念する上映会に遡ります。このイベントで水木氏の戦争体験をプラネタリウムで表現できるのではとのアイディアが生まれ、構想が具体化されていきました。
水木プロダクションの協力の下、実際の著作をもとに夜空の演出を行い、作品が完成しました。
戦地の夜空の再現
本作では、1億4000万個の星を映し出す高精細な光学式プラネタリウムと、臨場感あふれる6chサラウンド音響を活用して、当時の星空とその深い暗闇が描かれています。
制作を担当した齋藤氏は、この作品の特徴を「暗闇の中で水木先生の戦争体験を伝えること」によって、観客に強いメッセージを届ける意図があると説明しています。
観客に考える時間を与える
このプラネタリウム作品は、特定の価値観や結論を押し付けるものではなく、水木しげる氏の実体験に基づいた歴史を静かに追体験する構成になっています。観客一人一人が自分なりの解釈や感想を持ち帰ることができるような作品となっています。
上映後、多くの観客から「水木しげる氏が経験した戦場の暮らしについて知ることができた」との声や、「戦争について考える機会を与えてくれる全く新しい体験だった」といった感想が寄せられています。
今後の上映予定
『水木サンのみた暗闇』は8月29日、さらに11月15日・28日の上映も予定されています。チケットは公式サイトでの販売が行われており、人気のため早めに完売する可能性もあるため、事前の購入を勧めます。
このプラネタリウム作品は単なる娯楽を越え、戦争の実相を知るためのきっかけを提供してくれる貴重な機会といえるでしょう。観覧を通じて、個々の心に深いメッセージが宿ることでしょう。