GEヘルスケアがアミロイドPET検査薬を保険適用に
2023年10月1日、GEヘルスケア・ジャパンが提供するアミロイドPETイメージング剤「ビザミル(TM)」の使用が保険適用となりました。この検査は、PET(陽電子放射断層撮影)を用いてアルツハイマー病の早期診断を可能にするもので、医療現場での重要な役割を果たします。
ビザミルは、アルツハイマー病の疑いがある患者の脳内に存在するアミロイドβプラークを具体的に可視化するための薬剤です。これにより、医療従事者は疾患の進行状況を判断しやすくなります。特に、昨年開始されたアルツハイマー病に対する軽度認知障害や認知症の治療薬において、その効果を評価する手段として重視されています。
背景
国内では、超高齢社会の進展に伴い、2025年には認知症患者数が700万人を超えるとの予測が立てられています。このため、今後ますます多くの患者がアミロイドPET検査を受け、早期に適切な治療を行う必要があります。ビザミルを用いたPET検査は、非侵襲的な方法でアミロイドβの沈着を確認できるため、非常に高い関心を集めています。
2015年にGEヘルスケアは「FASTlab」の薬剤合成機能を承認し、最近では「FASTlab 2」も導入されました。この両方の装置が、アミロイドPET検査に使用される薬剤を合成することができます。これにより、全国の医療施設での手軽な利用が期待されています。
施設の現状
現在、日本国内には約400のPET装置を保有する医療施設がありますが、その中で約150の施設がサイクロトロンを備え、自らPET放射性薬剤を合成しています。「FASTlab」と「FASTlab 2」により、薬剤の合成を効率的に行える環境が整ったことで、より多くの医療機関で検査が行われることが見込まれています。
重要な役割
アミロイドPET検査は、アルツハイマー病による軽度認知障害または認知症の進行抑制に向けた治療薬を適正に使用するために欠かせない手段です。特に、重度の認知症へ進行する前に早期に診断をし、適切な介入を行うことで、患者のQOL(生活の質)の向上が期待されます。
GEヘルスケアは、今後もこの分野での進展に寄与し、医療課題の解決に尽力していくことを表明しています。薬剤の合成や検査法の進化が、アルツハイマー病の診療においてどのような影響を与えるのか、注目が集まります。
詳細については、GEヘルスケアの公式ウェブサイトをご覧ください。