前立腺癌診断の未来を切り開く、18F-PSMA-1007 PET/CT治験
住友重機械工業株式会社は、国立がん研究センター中央病院および大阪大学医学部附属病院と新たに契約を結び、高リスク及び超高リスクの前立腺癌患者を対象とした国際共同治験を実施することを発表しました。この治験は、18F-PSMA-1007というPETプローブを使用して、骨盤リンパ節転移の診断精度を評価するものです。
治験の背景と目的
日本において、前立腺癌の発症率は非常に高く、特に高リスク群への効果的な診断が求められています。治験の目的は、病理組織学的検査の結果をもとに、どうう骨盤リンパ節転移を判定するかをSOT(標準的評価方法)として、18F-PSMA-1007 PET/CTの感度と特異度を評価することです。これは、少なくとも片側の骨盤で正確な診断ができることを狙いとしています。
実施施設と責任医師
この治験は、以下の2つの施設で実施されます:
- - 国立がん研究センター中央病院(治験責任医師:伊藤公輝)
- - 大阪大学医学部附属病院(治験責任医師:渡部直史)
治験の詳細と進行状況
契約は2026年6月30日まで有効で、住友重機械工業はドイツのABX社が欧米で行っている同様の試験に参加する形で、日本国内での治験を推進します。18F-PSMA-1007PET/CT検査によって、前立腺癌患者の骨盤リンパ節転移を高精度で検出できることが期待されています。
18F-PSMA-1007とは
18F-PSMA-1007は、前立腺特異的膜抗体(PSMA)に集積するPETプローブです。これは大塚グループのドイツのABX社によって開発され、独占的実施権の下で製造および販売されます。国内においては、大塚製薬株式会社が権利を有しています。
期待される成果
この治験を通じて、前立腺癌患者に最適な治療方法を提供し、診断の精度を向上させるための基盤が築かれることが期待されています。住友重機械工業は、放射性薬剤製造装置のメーカーとして、PET検査手法の普及を促進し、技術の更なる進歩を図る方針です。
治験の詳細は、
こちらのリンクからご確認いただけます。