デジタル広告の透明性向上に向けた新たな原則の公表

デジタル広告業界の新たな指針



一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が制定した「データ取扱基本原則」が、会員限定から一般に公開されました。この原則は、デジタル広告およびマーケティングに携わる全ての事業者に向けた指針であり、特に消費者の属性情報や行動データを扱う際の倫理的な方針を示しています。

原則は、2025年に策定され、法律の専門家や消費者団体の意見を反映して改訂されました。この公表により、業界全体でのデータ利用における透明性や信頼性の向上が期待されます。

セルフチェックシートの活用



併せて公表された「セルフチェックシート」は、各事業者が自社のデータ取り扱い状況を評価・点検するためのツールです。このシートを活用することで、自分たちの取り組みが原則に則っているかを確認し、必要に応じて改善策を見出すことが可能です。

三つの柱となる原則



「データ取扱基本原則」は、次の三つの柱に基づいています:
1. 情報非対称性への配慮原則:事業者と消費者間の情報の不均衡に配慮し、透明性を確保します。
2. 利害の乖離への配慮原則:事業者の利益と消費者の利益が整合するよう配慮します。
3. 社会的責任の原則:デジタル広告が社会に与える影響を認識し、倫理的な行動を重視します。

これにより、データを取り扱う際には倫理的配慮とともに社会への貢献が求められることが明記されており、事業者には高い社会的責任が課されています。

事業者と消費者の協力を促進



JIAAの理事長、綿引義昌氏は、これらの原則の公表が事業者と消費者の信頼関係を深め、より健全な広告市場を形成する一助となることを期待しています。この原則が導入されることにより、消費者は自らが受け取るデータに対してより安心感を持てるようになるでしょう。

また、サステナビリティ消費者会議の代表である古谷由紀子氏も、「デジタル広告が提供する情報は利便性が高い一方で、受け取る情報の質が問題になることもある」との考えを示し、「データ取扱基本原則」の策定を事業者と消費者の信頼関係を構築するきっかけとすることの重要性を述べました。

今後に向けた方針



今後もJIAAは、消費者視点を重視したガイドラインや運用支援を進めていく方針です。この原則を基に業界が共同で倫理的かつ責任あるデータの活用を進め、消費者の信頼を高める努力が続くことが期待されます。

参考情報


  • - 公表資料は以下にアクセス可能:
- データ取扱基本原則(策定:2025年1月)
- セルフチェックシート(作成:2025年9月)

日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、1999年に設立以降、インターネット広告業界の健全な発展に向けて努力しており、今後もその使命を全うすべく活動を続けていきます。

会社情報

会社名
一般社団法人日本インタラクティブ広告協会
住所
東京都中央区銀座7丁目13-5NREG銀座ビル7階
電話番号
03-6278-8051

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