日本のサイバーセキュリティ意識の現状
最近発表された「ナショナル・プライバシー・テスト(NPT)」の結果によると、日本のサイバーセキュリティとインターネットプライバシーに関する知識は思った以上に低く、前年の8位から11位に後退したことが示されました。
調査の概要
この調査は、個人向けセキュリティサービスを提供するNordVPNが主催し、2025年までのデータ収集を行いました。世界186ケ国から30,792人が参加し、日本からは278人がこの調査に参加しています。調査の項目には、デジタル習慣、プライバシー意識、デジタルリスク耐性が含まれています。
日本のスコアと世界の順位
日本は今回の調査で50点(満点100点)のスコアを獲得しました。これはザ世界平均を下回る結果であり、サイバーセキュリティに対する意識の低さを反映しています。世界のトップ3には、リトアニア(62点)、シンガポール(61点)、ポーランド(60点)が選ばれました。
日本の強みと課題
調査結果では、日本人は強力なパスワード作成や、アプリの権限についての理解が非常に高いことがわかりました。具体的には、97%が強力なパスワード作成を意識しており、92%がアプリがデータをどのように扱うかを理解しています。しかし、ISPが収集するデータの認識はわずか6%、家庭用Wi-Fiの保護方法を知っているのは9%、フィッシングサイトを識別できるのは20%のみでした。
昨年との比較
昨年の結果と比較すると、いくつかの側面で改善が見られました。特に、オンラインプライバシーツールの認知度は19%から21%に上昇し、AIを利用した詐欺に対する認識も56%に増加しています。一方、防御スキルに関しては低下が見られ、フィッシングサイトの識別に失敗する人が増えたことが示されています。
日本人の分類
調査では、日本人の5%がサイバーワンダラーに分類され、最も多かったのは50~74ポイントを得たサイバーアドベンチャラーでした。高度な知識を持つサイバースターの割合はわずか4%で、前年の8%から縮小しています。
セキュリティ強化のためのアドバイス
NordVPNの最高技術責任者マリユス・ブリエディス氏は、以下の6つのアドバイスを提案しています。
1.
強力で複雑なパスワードを作成 - アカウントごとに異なるパスワードを用意。
2.
多要素認証(MFA)を有効化 - 追加の認証手続きを通じてセキュリティを強化。
3.
ソフトウェアを定期的に更新 - 脆弱性を排除し、常に最新の状態に。
4.
VPNの使用 - インターネット接続を暗号化し、個人情報を保護。
5.
プライバシー設定を見直す - SNSやアプリケーションの設定を定期的に確認。
6.
サイバーセキュリティの知識を深める - 最新のサイバー脅威について情報を得ることが重要。
まとめ
サイバーセキュリティの意識向上は緊急の課題です。日本が世界的に競争力を保つためには、家庭や企業での教育と認識を高める必要があります。マリユス氏の言葉通り、小さな隙が犯罪者に利用されないよう、基本的なセキュリティ対策を講じることが必須です。これらの知識や対策は私たち自身を守る力になります。さらなる啓発活動が求められます。