入社後に感じるギャップに関する調査結果
株式会社ジェイックは、2024年度の新入社員を対象に「入社後のギャップの乗り越え方」をテーマにした調査を実施しました。この調査では、約269名の新入社員から得た意見をもとに、入社前と入社後の感情の違いや、ビジネス環境での課題が浮き彫りになっています。
調査結果の概要
まず、大半の新入社員(56.9%)は、会社に対して入社前後でのギャップを感じていないという結果が出ました。一方で、43.1%の新入社員は何らかのギャップを経験しており、特に業務内容や職場環境、コミュニケーションに関する不一致について意見が寄せられました。
入社後のギャップを感じた内容
業務に関するギャップ
具体的には、業務量の多さや、実際の仕事内容が期待とは異なるという声が多く見られました。また、多くのケースで、役職に応じた求められるスキルや知識が多岐にわたり、業務が想定以上に忙しいという意見もありました。デスクワークの快適さについてもイメージとのギャップがあったようです。
職場環境と人間関係
職場の雰囲気についても、入社前の印象と異なり、思った以上に体育会系だったり、雰囲気が硬いと感じることがあったという意見もありました。また、飲み会の少なさや、部署による雰囲気の違いも指摘されました。
働き方と待遇
待遇面では、残業時間や休憩時間についてのギャップが心理的負担になったという意見があり、特に配属先の部門による差が大きいことが強調されました。
ポジティブなギャップ
逆に、良い意味でのギャップも報告されています。厳しい部分もある中でフレンドリーな雰囲気や、上下関係が思ったよりも緩やかだったといった声があり、入社後に新たな期待感を持つ新入社員も多いことが明らかになりました。
乗り越えるための方法
入社後のギャップをどう乗り越えるかも重要なテーマです。最も多く選ばれたのは「家族や友人に話を聞いてもらう」で38.8%を占めました。次いで「プライベートでリフレッシュする」が29.3%、同期と話をすることが27.6%と続きます。意外にも上司や先輩に相談するという選択をする人は少数派で、その理由には信頼関係が構築されていないことが挙げられます。
今後の展望と企業への期待
この調査結果について、ジェイックの執行役員東宮美樹氏は、入社前の職場見学やインターンシップの重要性が影響していると指摘しました。企業が新入社員に対して支援を強化し、定期的な面談を通じて問題点を把握することが求められます。また、利害関係のない外部相談窓口を活用することも、ギャップによるストレスを緩和するための一助といえるでしょう。
調査結果を通じて、企業は新入社員の不安を軽減し、良好な職場環境を創出するために、今後も改善策を講じる必要があります。新入社員の早期退職を防ぐためにも、各企業がこのデータを参考にし、関係構築を図ることが期待されています。