北広島町、中国エリア初の教育機関の脱炭素化へ向けた取り組みを始動

北広島町における脱炭素化ビジョン

広島県北広島町が新たにスタートさせた取り組みは、地域の教育機関の脱炭素化を目指し、町営の川小田小水力発電所で生成した電力を活用するものです。このプロジェクトは、地域エネルギー会社が主導するもので、中国エリア初の試みとなります。2023年8月1日より運用が開始され、全ての町内小中学校や関連施設に電力が供給されることで、環境に配慮した教育環境づくりが進められています。

エネルギーの地産地消

北広島町地域エネルギー会社が展開するこの事業は、町内に存在する自然資源から得られた電力を地元で使用する「エネルギーの地産地消」をテーマにしています。町の資源を最大限に活用することで、地域経済の活性化にも寄与することを狙いとしています。また、事業の支援には、株式会社タクマの子会社であるタクマエナジーが関与し、専門的なサポートを受けていることも大きな特徴です。

教育機関の脱炭素化

新たに導入された電力供給の内容として、町内全ての公立小中学校がまず対象です。これにより、予想年間426.7トンのCO2排出削減が期待されています。また、図書館やまちづくりセンターなどの教育関連施設に対しても電力供給が行われ、こちらでは286.7トンの排出削減が見込まれています。このように、教育機関の運営コストの削減のみならず、CO2削減に向けた確かな一歩を記しています。

売電収益の地域還元

この事業から得られる売電収益の一部は、北広島町の公益活動に充てられ、子育てや教育環境の充実、さらには生物多様性の保全などにも利用される予定です。つまり、地域全体の発展と環境保護がうまく融合したスキームとなっているのです。

今後の展望

北広島町は、環境省から「脱炭素先行地域」に選定されており、今後も新たな小水力発電所の整備や太陽光発電設備の導入を計画しています。タクマエナジーとの協力体制をもとに、地域のエネルギー供給体制の安定化や、脱炭素社会の実現を目指していく考えです。地域エネルギー会社と町、タクマエナジーが一体となり、さらなる取り組みを進めることで、北広島町の未来は明るいものとなることでしょう。