通信制高校の進化する現状と卒業生の進路
近年、通信制高校の生徒数が急激に増加していることが報告されています。株式会社リクルートが運営する『リクルート進学総研』が発表したデータによると、2015年度から2024年度にかけて、通信制課程に通う高校生の数は約1.6倍に増加しました。この現象は、我々の日常にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。以下にその詳細を探ります。
通信制高校の生徒数、急増中!
文部科学省が実施している「学校基本調査」によると、高校生全体の人口は10年前と比べ12.3%減少し、2024年度には約292万人となりました。その一方で、通信制高校に通う生徒数は180,393人から290,087人に増加し、成長率はおよそ60.8%。今では、全高校生の約10人に1人が通信制課程の生徒という状況です。これは、全日制・定時制課程の高校が148校減少する中で、通信制を設置する高校が増えていることにも起因しています。
卒業後の進路も多様化
通信制高校を卒業した後の進路選択も変化しています。2015年度には、最も多くの生徒が専門学校へ進学していましたが、2024年度の調査では大学進学者が増え、大学進学者数は6,974人から17,917人へと約2.6倍に跳ね上がりました。また、大学進学率も13.5%から21.2%へと改善され、いまや専門学校進学者に迫る勢いです。
通信制大学への進学も好調
さらに、通信制高校の卒業生が通信制大学に進学する割合も急増しています。2015年度には0.6%だった進学者が2024年度には3.0%にまで上昇し、人数にして332人から2,567人へと大幅に増加しました。この流れは、通信制課程の卒業生が今後ますます多様な選択肢を持つことを意味しています。2025年には新たにZEN大学や東京経営大学といった通信制大学が開校される予定で、今後も大学と短大の通信教育部が増えていくことが予想されます。
今後の展望
このように、通信制高校はこれまでの常識を覆し、進学率の向上や新たな進路の選択肢を提供しています。卒業生は今後ますます多様な道を選ぶことができるようになるでしょう。この変化は単なる数字の増加に留まらず、教育全体に対する考え方をも変える可能性を持っています。通信制高校の現状とその進化について、今後も注視していきたいと思います。
参考資料
詳しい情報については、リクルート進学総研に公開されているPDF資料を参照してください。
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