大丸東京店で無人店舗の試験運営が始まる
大丸東京店において、J.フロントリテイリング株式会社(JFR)、Cloudpick Japan株式会社、三菱HCキャピタル株式会社の3社が共同で無人店舗の試験運営を始めることが発表されました。この試験運営は「PoC(Proof of Concept)」として位置づけられ、顧客の新しいショッピング体験を創出することを目指しています。
協業の背景と目的
JFRは、百貨店や商業施設の運営企業であり、近年ではスタートアップ企業との協業を積極的に推進しています。その一環として、2024年2月にピッチコンテストを行い、その結果、Cloudpickが「ウォークスルー型無人店舗」を開発・提供する企業として選ばれました。Cloudpickは、AI技術を活用した無人店舗システムを提供するスタートアップで、これまでに世界中で多くの導入実績があります。
三菱HCキャピタルは、Cloudpickとの協業を進めており、今回の試験運営に参加することで、店舗の省人化と顧客体験の価値向上を目指しています。これにより、労働力不足をテクノロジーで解決する新しいビジネスモデルの実証を行います。
無人店舗の具体的な運営方法
試験運営は2025年2月6日に開始し、約8か月間、東京の大丸で行われる予定です。店舗では、タッチ機能付きのクレジットカードを用いて入店し、商品を手に取って店外に出ると自動的に決済が完了します。店内に設置されたカメラと重量センサーが連携し、どの商品をいくつ持って出たのかをAIが認識します。この方式により、顧客はフォーマルなチェックアウトを必要とせず、シームレスに買い物を楽しむことができます。
各社の役割
このプロジェクトにおける各社の役割は明確です。JFRは実施店舗を提供し、Cloudpickは店舗運営のためのシステム 全体の構築とサポートを担当。また、三菱HCキャピタルは設備を保有し、JFRに対しサブスクリプション型サービスとして提供します。これにより、各社が持つ専門分野を融合させ、効果的な無人店舗を実現します。
期待される効果
この無人店舗の導入は、働き手不足や顧客体験向上に寄与することが期待されており、試験運営を通じて得られるデータをもとに、今後の展開に役立てていく予定です。無人店舗のモデルは、訪日外国人を含む多様な顧客層に対しても利便性を提供できるため、今後のリテール業界におけるDX化(デジタルトランスフォーメーション)を進める重要なステップと位置づけられています。
各社のコメント
JFRの森田幸介執行役員は、これまでの店舗ビジネスの枠を超えた新しい体験を提供することへの期待を表明し、スタートアップとの共創を通じた価値提供の重要性を強調しました。Cloudpickの秦昊社長は、無人店舗が訪れるすべての顧客にとって便利で快適な体験をもたらすことを約束しています。三菱HCキャピタルの澤田真常務執行役員も、業界の人手不足に応える効率的なサービスを目指していく意義を述べました。
今後の展望
無人店舗の試験運営が成功した場合、そのモデルは日本の他の小売業者へも展開される可能性があります。この新しい小売形態がどのように顧客体験を向上させ、効率性を高めるか注目が集まります。この取り組みを通じて、未来の買い物をどのように進化させるのか、さまざまな期待が寄せられているのです。ぜひ、今後の進展にご注目ください。