部下の居眠りを通して見える現代社会の睡眠問題
日中に部下が居眠りをする姿を目にすることは、現代の職場では決して珍しい光景ではなくなっています。多くの管理職がこの状況にどう向き合っているのか、一般社団法人いびき無呼吸改善協会が実施した調査結果を基に迫ってみましょう。
調査の背景
10月に入り、下期のスタートと共に多くの企業では評価面談が行われますが、部下の居眠りはしばしば「自己管理ができていない」「仕事へのやる気がない」といった理由で評価が下がる要因となります。しかし、日中の強い眠気の裏には睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの「睡眠の病気」が隠れている可能性もあります。
この調査では、公にはあまり議論されてこなかった管理職の認識や対応を明らかにすることが目的でした。働く環境における認識ギャップが、部下の健康やパフォーマンスにどのように影響を与えているのかを探ります。
調査の結果
部下の居眠りを見たことがある上司
調査の結果、部下の居眠りや強い眠気を「まれにある」「ときどきある」「よくある」という回答が合わせて84.5%に達しました。これは、部下の眠気が日常的な問題であることを示しています。
睡眠の病気への認識
居眠りの原因として最も多く挙げられたのは「夜更かしや生活の乱れ」で26.1%でしたが、睡眠の病気を疑う声はわずか3.4%に過ぎません。この結果は、職場での眠気に対する認識が自己管理に偏っていることを示唆しています。
対応の仕方
居眠りをしていた部下に対して最も多かった対応は「体調や睡眠について話を聞いた」で24.5%を占めました。これは、単に注意をするだけでなく、部下の状況に寄り添おうとする姿勢が多数存在することを示しています。
上司自身の眠気の体験
興味深いことに、上司自身も勤務中に強い眠気を感じることがあると回答した割合は78.5%にのぼりました。これは、少なくとも上司の多くが部下の居眠りを他人事として捉えてはいないことを示しています。
睡眠時無呼吸症候群への理解
睡眠時無呼吸症候群に関する知識は一定程度存在していますが、その理解は充分でないという結果が見受けられました。多くの管理職が「本人は眠気を自覚しにくい」という特性に対する認識を深めることが求められます。そうした理解が進めば、部下を支えるサポート体制も強化されるでしょう。
最後に考えるべきこと
調査結果を受けて、部下の居眠りは「生活の乱れ」や「意欲の低さ」の一言で片付けられがちですが、背後にある疾病の可能性に目を向けることが企業にとっての課題です。部下の健康を守り、ひいては組織全体の生産性を高めていくためには、上司自身も自身の働き方や健康を見直す必要があります。
意識を変えることで、部下のキャリアや命を守るきっかけになるかもしれません。今後は、「最近、よく眠れている?」といった一言をかけることで、相手の気づきを引き出す支援が重要です。これこそが、職場での気づきが与える、深い意味を理解する鍵となるでしょう。