シュナイダーが発表した新リファレンスデザイン、AIインフラを加速する新技術とは

シュナイダーエレクトリックが新しいリファレンスデザインを発表

シュナイダーエレクトリックは、電源管理と液体冷却制御を統合した新しいリファレンスデザインを発表しました。この発表は2023年9月18日にフランス・リュエイユ＝マルメゾンで行われ、業界初の制御機能を備えたAIインフラ向けの設計とされています。このリファレンスデザインは、NVIDIAのMission ControlおよびGB300 NVL72に対応しており、次世代のAIファクトリーの迅速な展開を可能にします。

1つ目のリファレンスデザイン

最初のリファレンスデザインは、業界で唯一の重要なフレームワークを提供しています。これにより、NVIDIAのAIファクトリー向け運用オーケストレーションソフトウェアである「NVIDIA Mission Control」との相互運用性が確立され、データセンターにおけるクラスターやワークロードの管理がシームレスに行えるようになります。このデザインはシュナイダーエレクトリックの「NVIDIA Grace Blackwell」システム向けのリファレンスデザインとも連携でき、最新のアクセラレーテッド・コンピューティング技術に対応し、電源供給や液冷システムの管理が効率化されます。

2つ目のリファレンスデザイン

2つ目は、最大142kWという高密度のAIファクトリー向けインフラの導入に特化したもので、「NVIDIA GB300 NVL72」ラックの展開を可能にします。次世代の「NVIDIA Blackwell Ultra」アーキテクチャに基づいて設計されており、電源、冷却、ITスペース、ライフサイクルソフトウェアに関する情報が網羅されています。このリファレンスデザインは、ANSIおよびIECの規格にも準拠して提供されます。

AIクラスターの迅速な展開に向けて

AI技術の進化とともに、データセンター運営者は高密度GPUアクセラレーテッドクラスターの迅速な構築が求められています。シュナイダーエレクトリックは、将来のインフラに対応するための設計を早期に提供し、コスト、効率、信頼性を最適化しています。最新のリファレンスデザインは、データセンター運営者が「何かが起きた時」に対応するだけでなく、「何かが起こる前」に備えることを可能にします。

シュナイダーエレクトリックの提言

「新しいリファレンスデザインにより、前進的なAIインフラの設計・展開・運用の過程が効率化されます」と、シュナイダーエレクトリックのシニアバイスプレジデント兼CTO、Jim Simonelli氏は述べています。統合された電源管理と液体冷却制御が備わったこのリファレンスデザインは、将来的な需要に対応するためのスケーラビリティを提供します。NVIDIAとの協業によって、急増するAI需要に対応するデータセンターの運営を支援します。

「データセンターアーキテクチャの再定義が進んでいます」とNVIDIAのScott Wallace氏は語ります。シュナイダーが発表した制御リファレンスデザインは、必要なインフラデータをNVIDIA Mission Controlに接続し、最先端のアクセラレーテッド・コンピューティングインフラの基盤となる厳密に検証された設計図を提供することに寄与します。

“プラグ・アンド・プレイ”の画期的なシステム

今回の制御リファレンスデザインは、AIインフラの構築を支援するために設計されています。これにはMQTTプロトコルに基づいた「プラグ・アンド・プレイ」アーキテクチャが採用されており、OTとITを橋渡しし、運営者が様々なデータを活用してパフォーマンスを最適化できます。これにより、電源と冷却の冗長性管理も強化され、AIの展開における稼働率や信頼性も向上します。