薬草に溢れる岐阜県飛騨市の魅力
岐阜県飛騨市は、245種類もの薬草が自然に自生する地域として知られています。この市は、観光地・高山の隣に位置し、歴史的に薬草を日常生活に取り入れてきた文化的な背景を持っています。そんな飛騨市の魅力に迫る新しい書籍『薬草を食べる人びと』が、2023年10月1日に発売されます。
官民一体での町づくり
本書は「究極のまちをつくる」シリーズの第2弾として、飛騨市の薬草文化を深く掘り下げています。著者の垂見和磨氏は、地元住民と共に、この健康資源を「見える化」し、より多くの人々にその魅力を伝えたいという目的のもと、単なる観光資源に留まらず、持続可能な地域創生に取り組む姿勢を強調しています。
薬草があふれる町、飛騨市
飛騨市はまるで“薬箱”のようだと評されるほど、街全体に薬草があふれています。市内には、薬草を体験できる施設が数多く点在しており、特にハイキングルートでは、実際に薬草を見ながら学ぶことができます。また、薬草をふんだんに使った料理を楽しめる飲食店や、薬草を利用したスイーツやコーヒーなども販売されています。これらの情報を本書には詳細に掲載しており、飛騨市を訪れる際に役立つガイドとなっています。
市民の息づく薬草利用法
本書では、地元住民が実践している薬草の食べ方や使い方も紹介しています。例えば、ドクダミやヨモギといった馴染みのある薬草から、飛騨市が特に推奨する珍しい薬草まで、約20種類を厳選しました。特に注目されるのは、「メナモミ」で、生活習慣病の予防に効果があると期待されています。また、「クズの花」はダイエット効果や二日酔い防止にも役立つとされています。さらに、料理店のオーナーが教える「薬草だし」の作り方も公開しており、家庭でも手軽に取り入れられる内容となっています。
専門家監修の薬草図鑑
飛騨市には245種の薬草が自生していることから、その中から特に利用されている20種類をピックアップし、専門家が監修した図鑑を付録として収録しています。この図鑑には薬草に関する基礎知識や、具体的なレシピが紹介されており、すぐに実践可能な内容が盛りだくさんです。全国的に知られる薬草も多く含まれており、一般的な利用法から特異な事例まで取材した内容が網羅されています。
著者のプロフィール
著者の垂見和磨氏は、1965年生まれで、一橋大学社会学部を卒業後、共同通信社に入社。多くのメディアでの取材経験を経て、現在は調査部の部長として活動されています。著書には『北の酒蔵よ よみがえれ!』などがあり、地方創生に関するテーマにも詳しい作家です。
映える地方創生のビジョン
この書籍の発行は、飛騨市の薬草文化の魅力を伝えるだけでなく、それを通じた地方創生を目指す新たな一歩を示しています。薬草を大切にすることで、地域社会が活性化し、持続可能な未来を築いていく姿を描いています。飛騨市は今後も、薬草を通じた分野での取り組みを進めていくでしょう。
書籍『薬草を食べる人びと』は、岐阜県飛騨市の魅力を多角的に捉えた貴重な資料で、薬草の有効利用を学ぶための必読書です。