新アプリ「ゼンカル」登場
2018-05-11 16:00:11
新たな喘息症状管理アプリ「ゼンカル」の開発が始まる
新たな喘息症状管理アプリ「ゼンカル」の開発が始まる
株式会社ヴィセントは、スマートフォン向けの喘息症状管理アプリ「ゼンカル」の開発を開始しました。このアプリは喘息を抱える患者に向けて、より効果的な症状管理を実現することを目指しています。協力には日本大学医学部呼吸器内科が参加しており、医師と患者の声を基にした実用的なアドバイスをアプリ上で提供します。
アプリの特徴
「ゼンカル」の最大の特徴は、レスポンス型の双方向アプローチです。従来の電子版喘息日誌と異なり、患者が一方的に記録をつけるのではなく、アプリが患者の症状を分析し、医師からの適切なアドバイスを提供します。これにより、重度の発作を未然に防ぐ手助けが可能となります。
アプリは気象情報や行動パターン、ピークフロー値などのデータを解析し、患者自身の感覚を数値化することで、実用的なアドバイスを行います。IT技術を駆使したこの革新的なアプローチにより、患者が気軽に記録を続けられ、医師も迅速に病歴を把握できることが期待されています。
過去の取り組み
ヴィセントは過去にも日本大学医学部との協力で、2016年に吸入指導サイト「吸入レッスン」を開設しました。これは、吸入器の使い方を動画で教えるもので、世界中で長年にわたって問題となっていた吸入器の適切な使用方法の指導に役立ちました。1年強で約5万件のアクセスを記録し、全国の病院や薬局でも使用されています。今回の「ゼンカル」は、この取り組みを基に、さらなる患者の症状緩和を目指したものです。
IT化による治療の進化
「ゼンカル」の開発にあたって、日本大学医学部の医師たちからは、IT技術が医療現場に浸透する期待の声が寄せられています。従来の診治方法にITを導入することは、多くの医療機関が抱えるコストの課題がありましたが、ヴィセントはオープンソースソフトウェアを活用した経済的なアプローチでこの課題を解決しています。将来的には、吸入レッスンで得たデータをAI化し、医師と患者のコミュニケーションを改善するための環境整備を進めていく方針です。
医師からの期待
日本大学医学部の伊藤先生も、「ゼンカル」の開発にあたる若い患者にとっての意義を評価しています。アプリが日々の症状を記録し、適切なアドバイスを提供することで、患者が医師と対話している感覚を得られ、継続的な管理が可能になると語っています。このことは、医師側から見ても患者の症状を把握しやすくするメリットがあります。
権先生はまた、高齢化が進む中で医療サービスが不足している現状を指摘し、患者のセルフメディケーションが今後ますます重要になると述べています。患者と医療提供者との関係性を深めるため、インセンティブを与える役割を「ゼンカル」は果たすことができるとの期待が寄せられています。
未来の展望
株式会社ヴィセントの高橋代表は、APIエコノミーを活用し、迅速なシステム開発を目指す意向を示しています。また、患者が情報をシェアするための環境を整えることで、医療現場におけるIT化を推進することが求められる時代が来ていると考えています。今後はAIの導入を視野に入れ、患者の自己管理をサポートする新たなシステムの実現を目指します。
会社概要
株式会社ヴィセントは2006年に設立され、システムインテグレーション事業やオープンソースソフトウェア事業を手掛けています。同社の理念は「世に役立つ企業」であり、今後も社会に貢献する技術の開発に取り組んでいく意向を示しています。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。
会社情報
- 会社名
-
株式会社ヴィセント
- 住所
- 東京都千代田区神田須田町1-7-8 VORT秋葉原Ⅳ 7階
- 電話番号
-
03-6206-9076