2025年上期の中古車市場統計
株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営する中古車情報サイト「車選びドットコム」の2025年6月版の統計レポートによると、今年上期の中古車市場は前年同時期と比べて出品台数が増加しました。この傾向は主要4つのオークション事業者全てに当てはまります。
新車と中古車の成長
5月に対して新車の登録台数は121.3%、中古車は105.8%の増加を記録しました。3ヶ月ぶりに両者ともに前月の数値を超える結果となり、特に新車は2025年に入ってから6ヶ月連続で前年同月比を上回っています。新車の安定供給が賛成的に影響を与えています。
しかしながら、中古車登録台数は6月単月では前年増ですが、上期を通してみると3年ぶりに前年同期を下回る状況です。このことから、新車と中古車のマーケットには依然として差が存在し、新車販売の増加が減少した中古車市場に与える影響が考えられます。
出品台数の増加と市場の歪み
特にUSSが前年同期比で15.8%増の約178万台を記録し、過去10年間での最高値となりました。デジタル出品の利便性向上や、新車販売回復に伴う下取り車両の増加が影響しています。しかし、成約率は低下傾向にあり、このまま出品台数が増え続けると今後の相場に影響を及ぼすことが予想されます。
大手と中小の販売業者間では在庫の調達力に大きな差が見られます。大手販売店は安定したように在庫を確保していますが、中小業者ではまだ仕入れの困難を抱えています。その結果、オークションにおける仕入れ価格は高水準を保っており、USSの平均成約単価は前年比2.2%増の118万円です。仕入れコストの上昇分をそのまま小売価格に反映するのは難しく、それが利益率を圧迫しています。
顧客管理の重要性
このような厳しい経営環境でありながら好調な販売店に共通する点は、徹底した顧客管理と的確な提案によっています。リピーターを獲得するために、明確な顧客対象を設定し、ニーズに合わせたアプローチを行うことで経営の安定を達成しています。中小販売店にとっては、顧客情報の細やかな管理が今後の成功に欠かせない要素と言えるでしょう。
軽自動車の人気は不動
「車選びドットコム」の市場動向によると、国産車のバイオタイプ別販売ランキングで、軽自動車が依然として人気です。6月の軽自動車のシェアは29.4%でわずかに減少したものの大きな変動は見られず、国産車としては依然として強い存在感です。
車種別では、トヨタのプリウスが引き続き1位、日産のセレナとホンダのステップワゴンの人気も高まっていますが、軽自動車も引き続き多く売れています。
まとめ
2025年の中古車市場は、新車の供給安定がもたらす良いニュースもある一方、成約率の低下や中小業者の課題など、課題も多く残されています。「車選びドットコム」を通じて得られるデータは、販売業者にとって非常に価値があり、迅速な経営判断を可能にするツールとも言えます。この業界においては、データの利活用が今後の成功につながる鍵となるでしょう。