岡山大学と上海大学、更なる連携強化に向けて前進
2024年10月16日、岡山大学の津島キャンパスにて、大きな一歩が踏み出されました。上海大学の王从春副学長一行が、岡山大学学長の那須保友氏を表敬訪問し、両大学の更なる連携強化に向けた会談が行われたのです。
この会談には、岡山大学からは佐藤法仁副理事・副学長、上級URA、そして中性子医療研究センターの黄鵬研究准教授らも参加。活気ある意見交換の場となりました。
会談の中心議題は、両大学の協定に基づく教育・研究交流の更なる推進です。特に、人文社会科学分野における人材育成プログラムの構築や、医学分野における交流拡大の可能性などが熱心に議論されました。
那須学長は、自身が先月参加した「2024 International Forum on Higher Education」での経験を踏まえ、日本と中国の大学が抱える課題や将来への期待について触れ、両国の大学がそれぞれの強みを生かし、新たな価値創造や人材育成を推進していく必要性を強調しました。
一方、王副学長は、これまでの岡山大学との交流への感謝を述べるとともに、上海大学が新たに設立した医学院の現状や人文社会科学系の研究拠点の運営状況などを紹介。両大学の現状と将来展望を共有することで、より具体的な連携プランの策定に繋がる有意義な時間となりました。
会談後には、上海大学一行は津島キャンパスを視察。岡山大学の研究拠点である「共育共創コモンズ(OUX)」などを視察し、日本の大学における研究環境を肌で感じました。
2023年5月に締結された岡山大学と上海大学間の協定は、国際化・オープン化が進むアカデミアにおいて、研究の健全性と公平性、そして安全保障上の観点を重視した協働関係を約束するものです。今回の表敬訪問と意見交換は、この協定に基づいた更なる連携強化を加速させる重要な一歩となるでしょう。
両大学は、それぞれの強みを活かした研究力・イノベーション創出、そして未来を担う人材育成に向けて、今後も研究インテグリティを徹底しながら連携を深めていきます。
上海大学について
上海大学は、中国上海市にある国立大学。211工程(国家重点大学)に指定されており、人文科学から理学、工学まで幅広い分野を網羅する総合大学です。約3100人の教員・研究者、そして2万人を超える学生を抱える巨大な組織です。近年は、英国の大学評価機関Quacquarelli Symondsによる「世界の若い大学ランキング」で中国本土1位を獲得するなど、その教育・研究力は世界的に認められています。
今後の展望
今回の表敬訪問は、単なる儀礼的なものではありません。岡山大学と上海大学は、互いの強みを活かし、教育・研究における国際協力を深めていくことを明確に示しました。今後、具体的な協働プロジェクトが立ち上がり、新たな研究成果や人材育成の成功例が生まれることが期待されます。両大学の更なる発展、そして日中間の学術交流の活性化に大きな期待が寄せられています。