コロナ禍を経て忘年会は復活、しかし…参加意欲に変化の兆し
2024年も師走が近づき、忘年会の季節が到来しました。パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、440人の社会人を対象とした「2024年 忘年会意識調査」を実施。その結果、忘年会はコロナ禍前の活況を取り戻しつつあるものの、参加者たちの意識には大きな変化が見られました。
調査結果から読み解く、変化する忘年会事情
調査によると、今年の職場忘年会の実施率は73.6%と、コロナ禍前の水準を上回りました。しかし、参加意欲については、54.1%が「参加したい」と回答したものの、64.1%がコロナ禍を経て参加意欲が低下したと回答しています。この数字は、忘年会文化の大きな転換点を示唆しています。
参加意欲:若年層は高まるも、世代間格差も
年代別に見ると、20代の参加意欲が68.8%と最も高く、2年連続でトップとなりました。一方、30代、40代、50代はそれぞれ49.2%、51.9%、40.3%と、20代に比べて参加意欲は低い傾向にあります。この世代間格差は、コロナ禍での働き方改革や、個人の価値観の変化を反映していると考えられます。
参加理由:親睦や上司との関係構築も
参加したいと回答した人の理由で最も多かったのは「同僚との親睦を深めたい」で49.2%。次いで「対面で話す機会が欲しい」(47.1%)、「上司との関係を構築したい」(36.1%)となりました。これらの結果から、忘年会は依然として職場での人間関係構築に重要な役割を果たしていることが分かります。
必要性:コミュニケーション重視vs.プライベート重視
対面飲み会の必要性については、52.0%が「感じなくなった」と回答。一方、「感じなくなった」と回答した人の理由では「時間を家族や趣味に使いたい」(44.1%)、「費用の負担がなくなる」(43.7%)、「対面による気遣いが負担」(34.9%)が上位を占めました。この結果から、参加者たちは、時間や費用、コミュニケーションの質を重視するようになってきていることが分かります。
飲み会マナー:暗黙のルールへの違和感
調査では、飲み会で周囲の振る舞いを気にする人が63.2%に上ることが判明しました。職場飲み会で特に意識することは「次の飲み物を聞く」(42.0%)、「席順」(33.6%)、「上司にお酒を注ぐ」(33.4%)が上位3つでした。これらの行動は、かつては当たり前とされていた行為ですが、現代では不要と感じる人が増えていることを示しています。
忘年会文化の未来:変化への対応が重要
今回の調査結果から、忘年会は復活しつつも、参加者の意識やニーズは大きく変化していることが明らかになりました。企業は、形式張った従来型の忘年会ではなく、個々の参加者の希望に合わせた柔軟な開催方法を検討する必要がありそうです。また、世代間の意識ギャップを埋めるため、若手とベテラン社員間のコミュニケーションを促進する施策も重要になってくるでしょう。
Job総研について
Job総研は、パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関で、様々な調査を通じて「明日の常識」を創造することを目指しています。今回の調査結果も、その一環として、企業や個人が変化する社会に適応していくための貴重な示唆を与えてくれるものです。
まとめ
忘年会は復活の兆しを見せていますが、参加意欲の低下や、飲み会への意識変化など、課題も多く存在することが明らかになりました。これからの忘年会は、参加者一人ひとりのニーズをくみ取り、より良いコミュニケーションの場となるよう工夫していくことが重要です。