2025年9月の消費者信頼感指数の動向
世界最大の世論調査会社であるイプソス株式会社は、2025年9月の「世界消費者信頼感指数」を発表しました。この調査は、75歳未満の21,000人以上を対象に、日本を含む30か国で実施されました。調査は8月22日から9月5日まで行われ、信頼感指数は横ばいで48.0ポイントを記録しました。しかし、前年同時期と比べると1.1ポイントの低下が見られます。
イプソスの消費者信頼感指数は、各国の総合指数または「国家」指数の平均を基にしています。この月のレポートによると、大きな変動はないものの、サブ指数には異なる動きが見受けられました。特に、現況サブ指数は唯一安定を示しており、これはポジティブな信号と言えるかもしれません。対照的に、投資サブ指数は増加し(+0.6ポイント)、期待や雇用のサブ指数はそれぞれ(-0.5ポイント)、(-0.9ポイント)の下落を記録しました。
消費者信頼感に関する地域ごとの動向
地域別に見ると、中東とアフリカでは全体的に景況感が上向いており、南アフリカが最も著しい増加(+3.7ポイント)を示しました。トルコも(+2.8ポイント)のプラスを記録し、安定した消費者信頼感を示しています。一方で、アジア太平洋地域は厳しい状況にあり、マレーシアは(-5.3ポイント)、インドネシアは(-5.2ポイント)の減少を見せています。このような地域差は、経済環境や政策の影響を反映していると言えるでしょう。
国家ごとの信頼感スコア
30か国の中で最も高い信頼感指数を誇るのはインドで、57.0ポイントを獲得しました。特に注目すべきは、今月は60ポイント以上の国家が存在しないという点です。この傾向は2ヶ月連続しており、2022年1月以来のことです。他の11か国は50ポイント以上を獲得しており、シンガポール(54.4)、スウェーデン(54.4)、マレーシア(54.1)、オーストラリア(53.9)、米国(52.4)などがそれに該当します。
対照的に、フランス(39.9)、日本(37.3)、トルコ(35.4)、ハンガリー(34.7)は40ポイントを下回っており、国内経済への懸念が強くなっていることが伺えます。
調査の背景と目的
この「イプソス世界消費者信頼感指数」は、毎月発表されるもので、グローバルな経済の動向を把握するために重要な指標です。調査には、オーストラリアや米国、日本など先進国をはじめ、ブラジルやインドネシアなど新興市場国も含まれています。また、すべての国で広範にサンプルが取られており、様々な背景を持つ消費者の心理を網羅的に把握できるデータとなっています。
イプソスは、長年にわたり市場調査並びに世論調査を行い、コンシューマーインサイトやトレンド分析に強みを持っています。今後もこの消費者信頼感指数を注視し、経済の変化に敏感に反応していく必要があると言えるでしょう。
さらに詳しい調査結果は、イプソスの公式ウェブサイトで確認できます。https://www.ipsos.com/ja-jp/pressroom
この調査結果は、消費者動向を探る上で欠かせない情報であり、今後のマーケティング戦略を考える際にも大変参考になるものです。