国際的協力が促進する船舶安全性向上のための検査キャンペーン

国際的な船舶検査キャンペーンの実施について

国土交通省は、令和7年8月20日に、外国船舶への立入検査（ポート・ステート・コントロール、以下PSC）を強化するための集中検査キャンペーンを実施すると発表しました。このキャンペーンは、日本を含むアジア・太平洋地域の22カ国と地域で設立された共同のPSC協力体制である東京MOUの一環として行われます。

集中検査キャンペーンの概要

2023年9月1日から11月30日までの3ヶ月間、「船舶のバラスト水管理」に焦点を当てた検査が行われます。これにより、船舶所有者や運航者、乗組員に対して、バラスト水管理に関する国際ルールの重要性を喚起し、遵守状況を確認することが目的です。この取り組みは、欧州・北大西洋地域においても、同じテーマで同時期に行われるパリMOUとの共同企画として開催されます。

検査の具体的な内容

今年の集中検査では、以下の3つの項目が特に確認されます：
1. バラスト水管理計画の遵守: 船舶上でのバラスト水管理が、策定された計画に従って最適に実施されているかが確認されます。
2. 乗組員の知識: バラスト水管理を担当する乗組員が、その実施方法について十分に精通しているかがチェックされます。
3. 記録の適切さ: 船舶に保管されたバラスト水に関する記録簿が、正確に記録されているかについても点検されます。

国際ルール遵守の重要性

このような検査キャンペーンを通じて、アジア・太平洋地域と欧州・北大西洋地域における船舶の国際ルール遵守が向上し、より安全な航行環境が確保されることが期待されます。バラスト水管理は、海洋環境保護の観点からも重要であり、国際社会全体での協力を不可欠です。

特に、バラスト水管理条約に基づく規定は、海洋生態系を保護するための重要な基準であり、全ての船舶に関連する重要なルールです。これらの規定を遵守することにより、外国からの船舶が国際海域で安心して航行できるよう、国土交通省は引き続き努力していく予定です。