地下埋設物を短期間で特定する新技術
株式会社ウェーブレット(本社:東京都文京区後楽)は、東京大学の辻研究室が開発した超小型振源装置「PASS」を利用して、道路下に埋設された地下インフラの位置を正確に特定する技術の実証試験を行いました。この技術は、従来の方法では難しかった深さ2mから5mに埋設されたインフラの検出を可能にし、工事の効率化が期待されています。
実証試験の背景
都市部の道路の下には、電気やガス、水道、下水道などが複雑に埋設されています。これらの埋設物の位置を事前に把握することは、工事の遅延や設計変更を防ぐために非常に重要です。しかし、従来の探査手法では地下深部の埋設物を正確に特定することが難しく、掘削作業を行うまで位置が不明なことが多々ありました。このことが事故や工期延長の原因にもなっていました。
今回の実証試験では、超小型振源装置「PASS」を活用し、地下埋設物の詳細な調査を行いました。その結果、事前調査の精度が向上し、工事を円滑に進めるための手助けを目指しました。
実証試験の概要と成果
「PASS」は、小型で軽量な振源装置です。この特性により、従来の方法では難しかった場所でも探査が可能です。実証試験では、振源として「PASS」を使い、地下を伝わる振動を解析することで、埋設物の位置を最大4mの深さまで特定しました。この独自の解析手法により、水道管の位置をほぼ正確に推定することに成功しました。
画像は東京都の現場対話型スタートアップ協働プロジェクトによるもので、埋設管の推定例です。
今後の展望
この新技術は様々な分野での利用が期待されています。特に次のような領域での応用が見込まれます。
- - 地下埋設物のさらなる検出
- - 地下のモニタリング
- - 軟弱地盤や地下空洞の検出
これからも技術開発を進め、さらなる適用範囲の拡大を目指していきます。
株式会社ウェーブレットについて
株式会社ウェーブレットは、2022年に設立された東京大学発のスタートアップ企業です。辻研究室で開発された振動計測技術を用い、二酸化炭素の地中貯留や資源開発、地熱発電など多岐にわたる課題解決に貢献しています。
ウェーブレットの公式ウェブサイト:
wvl.co.jp
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