大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン登場
2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、注目のシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」がその姿を現しました。このプロジェクトは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会によって推進され、特に医学の視点をもつ宮田裕章プロデューサーのもとで進められています。
1. 「Better Co-Being」をテーマにしたユニフォーム
2024年12月12日、ユニフォームの発表会が行われ、デザインはファッションデザイナー中里唯馬氏が手掛け、株式会社ゴールドウインが協賛しています。ユニフォームは、「Better Co-Being」というコンセプトに基づいており、持続可能な未来へ向けた調和を表現しています。
このコンセプトは、一人ひとりの豊かさと未来の持続可能性を調和させることを目指し、共に生きるという意味の「Co-being」を組み合わせたものです。ここで強調されているのは、未来への視点と共鳴の重要性です。
2. アート体験と共鳴の思索
シグネチャーパビリオンは、屋根も壁もなく、万博会場の中心に位置する「静けさの森」と調和したデザインが施されています。この空間では、文明の転換を強調し、アートと技術が融合した新しい体験を提供します。デザイナーの中里氏とゴールドウイン社は、アート体験を通じて人と未来の関係を深めることを目指しています。ユニフォーム自体もこの理念を具現化したものです。
3. 中里唯馬氏のデザイン哲学
中里氏は、ユニフォームのデザインに関して「光」というテーマを扱い、太陽光が人々の生活に与える影響について着目しました。「IMPERMANENCE(無常)」という概念を取り入れ、時間や場所に応じて多様に変化する衣服をデザインすることを目指しました。
デジタル加工を駆使し、独自のテキスタイルを制作。AI技術を用いて、各アイテムの柄が異なるように設計し、個体差を持たせることで、一人ひとりの多様性を反映しています。
4. 環境に配慮した技術
ゴールドウイン社は、環境に配慮したユニフォームの開発に取り組み、新たな遮熱素材を開発しました。この素材は、使用済みペットボトルを利用しており、リサイクル率76%という環境負荷を低減した特徴があります。また、通気性や快適性を向上させるための様々な機能が施されています。
5. 多様性を尊重するデザイン
ユニフォームのデザインには、特殊な開閉機構や多様な着こなしが可能な工夫が施されており、これにより様々な体型や好みに対応できるようになっています。特に、袖のデザインやウエストベルトの調整機能は、既成概念にとらわれない新たな試みが感じられます。
6. 未来に向けた展望
この「Better Co-Being」は、「いのちを響き合わせる」という万博のテーマと深く融合し、これからの人類が目指すべき未来へのビジョンを体現しています。パビリオンのユニフォームは、単なる衣服を超えて、私たちの未来における生活や価値観の在り方を象徴しているのです。
このユニフォームが万博を通じてどのように活用され、理念が具現化されていくのか、今後の展開に期待が高まります。