ウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラ 日本公演
2025年3月2日、神奈川県民ホールにてウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラの日本公演が行われます。この特別なコンサートは、戦争下でも音楽を奏で続ける勇気をもって活動する音楽家たちの姿を、日本の観客に届けるものとなります。
指揮者の吉田裕史氏は、2021年以来オデーサ歌劇場の首席客演指揮者としての役割を担っており、音楽を通して戦争中の人々への希望を提唱しています。彼自身、2023年9月にオデーサを訪れ、現地の音楽家たちが直面する危機的な状況を自らの目で見て、音楽が持つ力を深く理解しました。その経験を経て、彼は日本での公演を実現させるために奔走し、クラウドファンディングで2,000万円以上の寄付を集め、協力者たちの支援を受けながら、この夢を実現させました。
公演は、神奈川を皮切りに、3月7日には神戸朝日ホール、3月9日には北見芸術文化ホールでも開催されます。ウクライナの音楽家たちは日々厳しい状況に直面していますが、彼らの音楽を通じて、観客に希望と勇気を与えることが彼らの使命です。この公演は、単に音楽を楽しむだけでなく、ウクライナの歴史や文化を理解する貴重な機会でもあります。
関心が薄れてしまうウクライナへの思いを再び喚起する瞬間になることを期待しています。公演の訪問者は、音楽を楽しむことに加え、ウクライナの芸術を支援する一助ともなるのです。特に、若い層に対しては格安の学生料金が設定されており、多くの人々にこの特別な音楽体験をしてもらいたいと願われています。
さらに、神奈川県知事と駐日ウクライナ大使は、この意義深いイベントを記者会見で紹介し、来場を呼びかけました。神奈川県とオデーサ州の友好関係は、1965年からの姉妹都市提携にも起因しており、両地域の文化交流が続いてきました。これに吉田裕史氏が後援を求めたことで、自治体の支援が得られることとなりました。
公演当日はウクライナから避難した人々も招待されており、音楽を介して様々な交流が期待されています。加えて、プログラムではミコラ・リセンコやヘオルヒー・マイボロダといったウクライナの作曲家による作品が演奏されるほか、アントニン・ドヴォルザークの名曲も組み込まれ、観客を魅了することでしょう。
ウクライナの豊かな音楽文化を感じるため、ぜひ会場に足を運ばれることをお勧めします。この貴重なコンサートを通じて、日本とウクライナの文化的な架け橋が一層強まることを期待しています。