AIが導く新しい人材育成法、リーダーに求められる力を可視化

株式会社ZenXと株式会社AI教育ラボが共同で、革新的な人材育成モデルの研究を開始しました。この研究では、人間の感情や関係性を数値化し、AIの力を借りて活用することを目指しています。2025年9月から始まるこの取り組みは、管理職やリーダー層を対象に、EQ（Emotional Intelligence Quotient）とSQ（Social Intelligence Quotient）を可視化し、最適な人材配置と育成の精度を高めることを主な目的としています。

研究の背景

今の時代、AIや自動化が進んでいる中で、感情や人との関係性を理解する「人間らしさ」が重要視されています。実際、多くの企業が管理職のコミュニケーション能力の不足に悩んでおり、約40%の管理職が部下とのコミュニケーションに課題を抱えているとの調査があります。

これらの課題は、高い離職率の原因とも言われ、リーダーが感情を読み取り、チームを適切に導く力が求められています。しかし従来の手法では、経験や直感に頼ることが多く、科学的な根拠を持った育成は難しい状況でした。

研究のゴール

本研究の目指すところは、EQとSQを測定し、それを可視化する仕組みの確立です。加えて、AIを活用して「誰がどの業務に向いているか」を分析し、最適な人材配置を行い、リーダー育成の手法を確立していく予定です。具体的には、次のようなスキルを測定します：共感力、協調性、組織理解、適応力、影響力、ビジョニング、啓発力、問題解決力、創造力など。

今後の展望

この取り組みにより、社員のEQやSQを把握し活用することで、チームビルディングの精度を高められることが期待されています。大手企業における人材の適正配置を進め、グローバルな競争力を持つ企業の創出が見込まれています。また、さまざまな地域や学歴を問わず、人材が成長できる環境作りにも寄与します。こうした科学的データに基づく組織運営によって、経験や直感に頼らない、再現性の高いマネジメントが可能になります。

社長の後藤正宏氏は、「テクノロジーが進歩した今こそ、人間らしさが企業の強みになります」とコメントを寄せ、感情と社会性を可視化することで中小企業でも効果的な人材マネジメントが実現できると語っています。一方、AI教育ラボの鈴木秀顕氏は「EQやSQのビジネス活用は未だに少ないが、この研究が新しい指針となるだろう」と期待を寄せています。