ヤプリと安藤ハザマがタッグを組み現場専用アプリ「築造」をリリース
東京都港区に本社を置くヤプリは、建設業界に特化した現場専用アプリ「築造」を株式会社安藤・間(安藤ハザマ)と共同で開発しました。このアプリの導入によって、安全性と品質教育の効率化、また情報共有の迅速化が期待されています。目指すは、建設現場における労働災害のリスクを大幅に削減することです。
共同開発の背景と課題解決
近年、建設業界では働き方改革や労働時間の短縮が進められていますが、これに伴いベテラン社員の退職や若手社員の教育の機会減少が大きな課題となっています。それでも安藤ハザマでは、社員が必要な情報をイントラネット上に公開していますが、現場に特化した施工管理や安全ルールの情報を効率的に取得する環境は整っていませんでした。
このような状況を打破するために、「築造」の開発が進められました。実際の建設現場で働く社員たちの声を聞くために、安藤ハザマのチームは若手とベテランの両者にヒアリングを行い、アンケート調査を実施。現場の実情やニーズを正確に把握したうえで、アプリの開発に取り組んできました。
アプリ「築造」の革新ポイント
1. 動画コンテンツによる安全・品質教育
「築造」では、安全管理や品質教育に関するコンテンツを動画化し、経験が少ない若手社員でも手軽に知識を吸収できる仕組みを作りました。これにより、スキマ時間を計画的に活用して教育を受けることが可能となります。さらに、社内での安全ルールや過去の災害事例についても、工種ごとに整理して視聴できるように配置されています。
2. 視認性の高いシンプルなインターフェース
現場で必要とされる情報を分かりやすく整理し、広い年代の社員が直感的に利用できる設計が施されています。大きな文字と見やすいボタンを配置し、特に屋外環境でも手袋をつけたまま操作できる点が特徴です。
3. 重要情報のプッシュ通知機能
さらに、プッシュ通知を通じて、重要な情報が利用者に即座に伝わるため、迅速かつ適切な対応が可能となります。
現在の導入実績と効果
「築造」は現在、約1,700件のダウンロードを達成しており、ほぼ安藤ハザマの全ての現場社員が利用しています。実際の導入により、現場入場30日以内の技能者の労働災害件数が、導入前後で比較して27%減少しているというデータが報告されています。これは、アプリが現場の安全を実質的に向上させている証拠です。
今後の展開と課題の解消
安藤ハザマは今後も、現場から得たフィードバックを元に「築造」を定期的に改善し続ける方針です。新たな安全・品質教育に特化したコンテンツの追加も視野に入れ、現場社員の技能向上と情報の迅速な共有を図ることで、さらなる労働災害ゼロを目指します。
ヤプリとしても、このアプリを通じて建設業界の従業員体験やサービスの質を一層向上させていく予定です。今後、様々な業界においてもモバイルテクノロジーを駆使して、企業と社員のつながりを強化していくことを目指します。
企業情報
本社所在地:東京都港区東新橋一丁目9番1号
代表者:国谷 一彦
事業内容:土木建築工事の調査、設計、施工、監理など
公式サイト
本社所在地:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー41階
代表者:庵原 保文
事業内容:「Yappli」などの開発・提供
公式サイト