サノフィによる高校生向け医療教育の特別授業
2025年の夏、サノフィ株式会社が主催する高校生向け特別授業が開催されました。今回の授業では、ヘルスケア業界に関心を持つ生徒たちが参加し、医療の未来について知識を深めるとともに、多様性を重視した医療の重要性が語られました。
イベントの背景と目的
サノフィは、医療業界におけるマイノリティの信頼構築を目的に「A Million Conversations」というイニシアチブに取り組んでいます。このイベントはその一環として行われ、医療への信頼感が低いとされる女性や障がい者、LGBTQ+、少数民族など、いわゆるマイノリティ群の人々に向け、平等に医療を受けられる社会を目指すものでした。
特別授業の開催概要
特別授業「医療の未来をつくる高校生プログラム」は、2025年8月にサノフィの東京オペラシティタワーで実施され、24名の高校生が参加しました。このプログラムでは、業界の専門家から直接学び、また人生経験を語るセッションが行われました。
オープニングでは、サノフィの社員がイベントを紹介し、続く「ジョブアドベンチャー」では医療やITなど、さまざまな職種を知るチャンスが提供されました。生徒たちは各ブースで社員と直接対話し、そのキャリアや日々の仕事内容、大学時代の専攻について学びました。多様なバックグラウンドを持つ社員の話から、医療業界が提供するキャリアの多様性に驚きをもっていました。
社会課題とその解決策
次に行われた座学では、サノフィが発表したグローバル調査を基に、医療における「トラスト・ギャップ」についての解説が行われました。特にマイノリティ層において「医療の信頼感が低い」という現実が指摘され、信頼が欠如すると健康格差が生じるリスクが高まることが強調されました。信頼関係の形成が医療従事者の多様性に依存していることを説明し、今後はより多くの多様な背景を持つ従事者が必要であると訴えました。
パネルディスカッションでの経験共有
プログラムのクライマックスでは、医療現場での実体験を持つパネリストたちが登壇し、それぞれの視点で医療のチャレンジやキャリアの選択について語りました。医療現場での多様性の重要性についても討論され、看護師や医師という職業選択におけるステレオタイプを打破する意義が浮き彫りになりました。
特に男性看護師として活動する秋吉氏は、自身の進路決定のきっかけや職場での体験を語り、選択の自由を語りました。一方、女性医師のサノフィ社員は「環境や選択肢は多様だ」と自身のキャリアを通してのメッセージを伝えました。また、大村氏はITでのキャリアにおける性別の壁に挑む姿勢を示し、若者たちにバイアスを乗り越えるエンパワメントを提供しました。
クロージングと未来へのメッセージ
イベントの最後にサノフィ代表取締役社長の岩屋孝彦氏がクロージングを行い、社会における考え方の違いを認め合う重要性を強調しました。参加した高校生たちは、サノフィの取り組みを通じて自分のキャリア選択に対しより深く考える機会となり、個々の専門性を最大限生かせる未来に向けた期待が高まりました。
今回の特別授業は、参加者から「医療業界には思っていた以上に幅広い職種があることに気づいた」という声が寄せられるなど、若者たちにとって新たな進路の選択肢を考えるきっかけとなりました。意思の強さや個々の背景に左右されることなく、自分らしい未来を見据える手助けをすることが、サノフィの願いです。今後もこのような取り組みが多くの若者の心に影響を与えることに期待が寄せられています。