ローデ・シュワルツ、オーストラリア国境警備隊の新型艇向けに通信システムを提供
2025年10月7日、シドニー発。
オーストラリアの国境警備隊(ABF)用に建造される発展型ケープ級哨戒艇2隻に、ローデ・シュワルツの先進的な通信システム「NAVICS」が導入されることが決まりました。この契約により、ローデ・シュワルツとオースタル・シップス社との長期的なパートナーシップはさらに強化され、海上での通信能力が一新されることになります。
ローデ・シュワルツの海事部門長、チャールズ・ナットル・スミス氏は「この契約は、オースタル社との関係を深化させるものです。これまでに8隻の哨戒艇にNAVICSを搭載しており、最新艇の進水も控えています」とコメントしています。新型艇は、西オーストラリア州ヘンダーソンにあるオースタル社の造船所で建造され、ABFの作戦能力をさらに向上させることが期待されています。
NAVICSは、ローデ・シュワルツが独自に開発した音声IP(VoIP)通信システムであり、IPベースの多層セキュリティアーキテクチャを採用しています。これにより、船上での通信能力が一段と向上し、ユーザーは高いセキュリティを保ちながら、効率的な情報伝達を行うことができるようになります。
ローデ・シュワルツ・オーストラリアの代表取締役、ガレス・エヴァンス氏は、同社が通信システムインテグレーターとしての役割を果たしていることを強調しました。彼は「私たちは40年の経験を活かし、オーストラリア国内の通信設計能力を大いに向上させてきました」と述べています。さらに、「ABFが当社を選んだことは、連邦政府からの信頼の証です」とも語っています。
オースタル・ディフェンス・オーストラリアの戦略的サプライチェーン部門長、ブレント・キャリー氏も、ローデ・シュワルツとの長年の関係が技術力に寄与していると述べ、「彼らの専門知識を活用することで、顧客に高い自信とパフォーマンスを提供できる」と期待を寄せています。
2020年、ローデ・シュワルツはオースタル社より、オーストラリア海軍向けのEvolving Cape Class Patrol Boat(ECCPB)の通信システムを設計・製造・納入する契約を締結し、現在までに複数のシステムを納入しています。今後、2026年にはさらに1つのシステムが納入される予定です。また、ローデ・シュワルツはBAEシステムズ・オーストラリア社からも通信契約を受注し、ハンター級フリゲート向けにも技術を提供しています。
ローデ・シュワルツは、40以上の海軍に対して、モジュール化され拡張可能な通信ソリューションを提供し、無線機や艦内放送システムとの接続を容易にします。これにより、海上での情報伝達がさらに円滑になり、国境警備隊の運用能力が一層強化されることが期待されています。
この新たな取り組みは、国防の強化に向けた重要なステップであり、ローデ・シュワルツの技術力が国際的に評価される一因ともなっています。
公式ウェブサイト:
www.rohde-schwarz.com
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ローデ・シュワルツは、電子計測やサイバーセキュリティといった高度な技術を駆使し、より安全な社会の実現に努めている企業です。ドイツのミュンヘンを拠点とし、90年以上の歴史を誇る独立企業として、持続可能な経営にも注力しています。