2026年5月1日、北東北の文化研究の集大成として、書籍『雑穀地帯の暮らし〈北東北〉民俗考古学の原点』が発刊されます。この本は、北東北の山地や雑穀地帯における昔の生活を体系的に記録した一冊です。
著者には、名久井文明氏と名久井芳枝氏が名を連ね、1980年代から2000年代にかけて行ったフィールドワークが基礎になっています。本書は650ページにわたり、現地調査を通じて得られた豊富な資料を総合的に収めています。
民具と生活文化の詳細な記録
本書の特長は、単なる民具図録にとどまらない点です。著者たちは、地域の古老へのインタビューや実物資料から創り出した実測図を多用し、雑穀栽培や狩猟、炭焼き、家の建て方、衣服の制作などの生活文化を立体的に描き出しています。これにより、各地域の特色や民具の使用方法の違いが記録されており、今後の研究において基盤資料としての役割が期待されています。
民俗考古学の視点
巻末には、著者による論考や随想が6編収められており、民俗資料を考古学的にどのように活用、保存するかという課題提起も行われています。この本は、民俗学、考古学、博物館学を横断的に探求する研究方法論としての重要性を有しています。
書籍の詳細
- - 書名:『雑穀地帯の暮らし〈北東北〉民俗考古学の原点』
- - 著者:名久井文明・名久井芳枝
- - 発行元:一芦舎
- - 発売日:2026年5月1日
- - ISBN:9784990598648
- - 判型:A4判、650頁
- - 価格:並製本8,800円(税込)、Kindle版7,700円(税込)
主な収録内容には、雑穀栽培、山菜採集、狩猟、炭焼き、家普請、牛馬の飼育、衣食住に関する技術が含まれています。また、共同作業や物々交換、出稼ぎに関する情報も記録されています。
今後の展覧会
この書籍は2026年5月24日に青山学院大学で行われる日本考古学協会の図書交換会に出展される予定です。
著者プロフィール
名久井文明氏は、北東北の民族文化や民具を研究する民俗考古学者です。岩手県立博物館の学芸員や大学講師、名誉館長を歴任し、縄紋文化や民具文化に関する調査を長年続けています。
名久井芳枝氏も同じく北東北の生活文化を長年研究し、その記録保存に貢献してきました。これまでに生活技術や有形文化財の保存にかかわる多くの調査を行っています。
この本を通じて、北東北の豊かな文化遺産が更に広く知られることを期待しています。