溶融塩電解技術によるCO2由来固体炭素製造の新たな挑戦
2023年10月、コスモエネルギーホールディングスおよびそのグループ企業が主導するプロジェクトが始動しました。コスモ石油、京都大学、アイ’エムセップ、住友重機械工業、SECカーボンといった企業や高校との連携を背景に、CO2由来の固体炭素を製造するためのベンチスケール検証が実施されます。この取り組みは、カーボンニュートラル社会を実現するための重要なステップとなることでしょう。
取り組みの背景
カーボンニュートラル社会の実現には、CO2の回収とその有効利用が不可欠です。特に、CO2を安定した固体炭素に変換する技術に対する関心が高まっています。溶融塩電解技術は、電気エネルギーを使用してCO2を直接炭素に転換できるため、その利点が注目されています。青色水素との組み合わせで、今後の低炭素戦略に寄与することが期待されています。
また、炭素材料は蓄電池や次世代エネルギーなど、さまざまな産業で必須の素材ですが、供給の偏在や地政学的リスクが課題として挙がっています。CO2を原料とした炭素材料製造は、こうした課題を解決し、国産化の推進にもつながる可能性があります。
取り組みの詳細
このプロジェクトでは、以下の要素が検証される予定です。
1.
技術的可能性の評価:溶融塩電解を利用したCO2由来の炭素材料の製造方法に対する技術的な調査
2.
サプライチェーンの検討:原料調達から製造、さらには利用までの全体的なサプライチェーンの検討
3.
未来の社会実装に向けた分析:課題や重要な論点の抽出を通じて、社会実装に向けた展望を掴む
このような取り組みにより、技術の実現可能性を高めることが期待され、各企業の専門知識がフル活用されることでしょう。
各社の役割と展望
- - コスモエネルギーグループは、2050年カーボンネットゼロの実現に向けて、Vision2030の一環としてこのプロジェクトを進めています。持続可能な社会の実現に向けて、エネルギーと素材の両面から貢献を目指しています。
- - 京都大学は、長らく培ってきた溶融塩電解技術の知見を元に、学術的な立場からプロジェクトを推進します。社会実装への橋渡しとして、産学連携を強化しています。
- - アイ’エムセップは、SDGs社会を見据えた事業展開を行い、この取り組みを特に重要な一歩と位置づけています。独自技術の事業化を目指しています。
- - 住友重機械工業は、環境負荷の低減に取り組む傍ら、カーボンリサイクル技術の地盤を作る努力をしています。
- - SECカーボンは、炭素材料の価値向上を目指し、CO2由来の炭素の評価に携わっています。環境への配慮を持ちながら事業成長を目指しています。
このプロジェクトは、国内外の技術や政策の動向を踏まえながら、持続可能な未来に向けての重要な取り組みを継続していくことが求められるでしょう。カーボンニュートラル社会の実現を視野に入れた次世代の技術が、日本から発信される日を期待せずにはいられません。