脱炭素化実証実験
2024-07-30 16:59:05

鉄鋼物流業界の脱炭素化に向けた実証実験が開始

鉄鋼物流業界の脱炭素化に向けた実証実験



日本の鉄鋼物流業界において、脱炭素化へ向けた新たな動きが加速しています。伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(以下、伊藤忠丸紅鉄鋼)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、メタル便株式会社(以下、メタル便)という3社が連携し、鉄鋼物流の持続可能なシステム構築を目指した実証実験を2024年8月1日から開始すると発表しました。この取り組みは、物流業界が直面している「2024年問題」と呼ばれる輸送能力不足の解決と、2050年までにカーボンニュートラルを実現するための重要なステップとなります。

背景



近年、物流業界はさまざまな課題に直面しています。その中でも、「2024年問題」と称される輸送能力不足は特に深刻な状況です。この問題は、労働力不足や規制の強化に起因するもので、業界全体が効率的な輸送方法を模索する必要性が高まっています。さらに、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標も掲げられており、企業はその実現に向けた具体的な対策を急がなければなりません。鉄鋼物流業界においては、各社が自社スタイルの専属便を使う傾向があり、この方式では効率が悪く、CO2の排出量も多くなります。このような状況から、異なる荷主の貨物を同じトラックで運ぶ「共同配送」に関心が集まっているのです。

実証実験の概要



実証実験では、メタル便が2000年から提供している「共同配送」の効率性と環境負荷の低減を検証します。現在の専属便と比較し、CO2排出量を定量的に評価することを目的としています。実証の具体的な取り組み内容は以下の通りです。
1. CO2排出量算定方法の策定:共同配送と専属便のCO2排出量を算定し、具体的な指標を見出します。
2. 情報開示の仕組み検討:CO2排出量をステークホルダーに開示するための仕組みを検討します。
3. カーボンクレジット化の検討:共同配送によるCO2の削減分をカーボンクレジットとして取り扱うことを考えています。

各社の役割



この実証実験には、各社それぞれ異なる知識と専門性が寄与されます。
  • - 伊藤忠丸紅鉄鋼:脱炭素化に関する知見やMIeCO2という既存の脱炭素ソリューションを提供します。
  • - NTT Com:ICT技術を用いて、CO2排出量の算定や情報開示、カーボンクレジットの創出などに関する支援を行います。
  • - メタル便:実証実験が行えるフィールドを提供し、鉄鋼物流業界の特性に基づいたサポートを行います。

今後の展望



この実証実験は2024年12月末までに結果をまとめ、共同配送によるCO2削減の効果を明確に示すことが期待されています。結果を基に、メタル便の実業務への展開を目指すとともに、鉄鋼物流業界全体の脱炭素化に貢献する企業との連携も進めていく方針です。この動きは、持続可能なサプライチェーンの実現に向けて、業界全体に新風をもたらすことでしょう。

鉄鋼物流業界の未来は、これらの取り組みによって大きく変わるかもしれません。エコに配慮した物流の実現は、今後の社会にとっても重要なテーマとなるでしょう。


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会社情報

会社名
伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社 NTTコミュニケーションズ株式会社 株式会社メタル便
住所
電話番号

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