客室清掃員の業務負担実態を探る調査結果が明らかに

最近、ホテルや旅館の客室清掃員の業務負担に関する調査が行われ、驚くべき結果が発表されました。この調査は、合成樹脂や金属製品の製造・販売を手掛ける岩谷マテリアル株式会社が実施しました。調査対象者は、20代から50代の男女、計148名で、インターネットを通じて実施されました。

背景

近年、訪日外国人観光客の増加が影響し、日本の宿泊業は活気を呈しています。しかしながら、厚生労働省のデータによると、宿泊業・飲食サービス業の離職率には大きな問題があることが示されています。その離職率は2022年に26.8％に達し、特に客室清掃の分野ではシニア女性を中心に業務負担が高いことが言われています。そこで、岩谷マテリアルが客室清掃員に特化した労働環境調査を実施しました。

主な調査結果

調査結果によると、客室清掃員の約8割が宿泊客数が増えていると実感している一方で、約6割が勤め先の離職率が高いと感じていることがわかりました。さらに、業務の負担が高いと感じている人の割合は、合計で約80％にも達します。

業務負担の具体的な内容

特に負担が大きいとされる業務は、1位が「ベッドメイキング」で67.5％、2位が「水回りの清掃」で64.0％、3位が「リネン類や清掃用具の運搬作業」で51.8％でした。このような状況から、客室清掃員の作業が身体的にも精神的にも過剰な負担を強いていることが伺えます。

改善への要望

調査では、客室清掃員たちが「環境改善」を求める声が多く聞かれました。約69％が人員の増加を、48％が労働環境の改善を要望しており、業務負担を軽減するための新しいツールやシステムの導入を希望する人も約34％に上りました。

さらに、約50％の客室清掃員が「環境が改善されるならこの仕事を続けたい」と考えていることもわかりました。これは、業務に対する意欲が残っている一方、現在の労働環境に対して不安が募っていることを示しています。

まとめ

今回の調査結果は、万全に見える観光業界の裏に隠れた客室清掃員の厳しい実情を浮き彫りにしました。訪日外国人客の増加が続く中、客室清掃員の離職率の高さ、業務負担の重さは、この業界全体のサービス品質に直結する重大な問題です。今後は、特に労働環境の改善と効率化を進めることが、業界の健全成長に必要不可欠であると考えられます。