アルミ合金の耐食性を解明
2026-09-17 13:09:35
AI技術で解明されたアルミニウム合金の耐食性の新メカニズム
AIによるアルミニウム合金の耐食性解明
研究の背景
近年、軽量材料として広く利用されているアルミニウム合金は、その特性から航空宇宙や自動車産業において重要な役割を果たしています。しかし、特に塩化物環境下などでは、孔食と呼ばれる点状の腐食が進行し、耐久性が大きな課題となっています。これに対処するため、芝浦工業大学の石崎教授を中心とした研究グループは、新たな保護皮膜であるベーマイト皮膜を蒸気コーティング法により形成し、その耐食性を高める手法を模索してきました。
AIを活用した研究成果
本研究では、AI技術を用いてアルミニウム合金上に形成されるベーマイト皮膜の物理的特徴と耐食性との関係を定量的に分析しました。具体的には、膜の厚さ、表面粗さ、結晶子サイズ、基板の欠陥密度の4つの物理的特徴を指標に、AIモデルを構築しました。従来の方法に比べ、製造条件に依存しない普遍的な材料設計指針の確立を目指しています。
研究成果のポイント
1. AIモデルの構築: 研究チームは、4つの物理的特徴を基にしたAIモデル(ランダムフォレスト)を構築し、孔食電位という指標を用いて耐食性を高精度に予測しました。このモデルでは、従来の製造条件に依存する方法と比較し、R2=0.670というより高い予測精度を達成。
2. 形態的レジームシフトの発見: 特に、膜厚が約2,200 nmを境に、「サビを防ぐ効果」から「腐食因子の侵入経路」へと役割が変わる現象を初めて発見しました。これは「形態的レジームシフト」と名付けられ、表面粗さが厚みによってその効果を変えるという重要な知見が得られました。
研究の意義と社会への影響
本研究によって確立されたAIによる耐食性の評価手法は、様々な製造条件において一貫して利用できる品質評価を実現します。これにより、試作コストの削減が期待され、開発期間の短縮にも寄与します。また、新たな材料設計指針は次世代の多様な機能性材料への応用も見込まれています。
結論
この成果は、アルミニウム合金に限らず、今後の研究や開発においても重要な手法となるでしょう。物理的特徴に基づく設計指針は、製造プロセスの改善にも貢献し、より高品質な素材の開発を支援するものとなるでしょう。研究成果は2026年8月18日付の『npj Materials Degradation』に掲載され、今後の発展が期待されます。
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芝浦工業大学
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