地域の子どもたちが企画する西浅井ちょうちん祭りとは？

「西浅井ちょうちん祭り」を彩る子どもたちの熱意

滋賀県長浜市に位置する西浅井町で、2025年9月6日（土）に再び行われる『西浅井ちょうちん祭り』は、地元の中学生たちが中心となって企画した新たな地域イベントです。この祭りは、コロナ禍で失われた地域の活気を取り戻したいという思いから発足し、今年で2回目を迎えます。約200個のちょうちんが点灯し、地域の魅力を再発見する機会として注目されています。

きっかけは失われた地域の活気

この祭りのきっかけとなったのは、滋賀県社会福祉協議会の職員であるAさんの熱い思いでした。彼は、中学に入って以来一度も地域のお祭りに参加できていない子どもたちの存在を知り、何とか地域の活気を取り戻したいと考え、祭りの開催を決意しました。「このまちには何もない」というネガティブな意識を変え、子どもたち自らが地域に目を向け、愛着を育む機会を提供するために、社協職員とともに動き出しました。

地元で育つ子どもたちのテーマ

今年度のちょうちん祭りでは、子どもたちが主体となって運営する体制が構築されています。それまでの祭りは大人主体の運営が主流でしたが、中学生たちの意見を尊重し、企画の段階から彼らが参加することによって、自らのアイデアを実現する機会が与えられています。生徒たちは全員が手を挙げて「自分たちで考えた企画」に取り組む意思を示し、その熱意が地域全体に波及しました。

ちょうちんの光が照らす西浅井

祭り当日は、子どもたちが制作した約200個のちょうちんが、EV車に蓄えられた太陽光エネルギーによって点灯します。この光景は、子どもたちが地域に存在する「明るい部分」に焦点を当て、育てていこうという姿勢を象徴しています。子どもたちは、自分たちの「ルーツ」を意識し、地域への愛着を育む機会を手に入れました。

地域全体で育てる祭り

さらにこの祭りは、地域内の就学前の園児から小・中学生まで広がり、教育の場でもちょうちん作りが取り入れられるようになりました。今では、地域全体がこの取り組みに協力し、祭りを一緒に作り上げる両支援の体制が整っています。農業と福祉の連携を進めるONE SLASH株式会社は、地域密着のプロジェクトとして新たな形の祭りを生み出すことに寄与しています。

未来に向けた希望の祭り

ちょうちん祭りは単なる地域イベントにとどまらず、子どもたちが自分たちの地元をどう育てていくかを考える場となっています。「地域のためにできること」を見つけ、それを実現する力を育てることが、この祭りの背後にある理念です。これにあたる運営方針は、「子どもたちがやりたいことができる場を作る」という目標に基づき、持続可能な地域づくりの重要性を再確認する機会となります。