大人気歴史学者・本郷和人氏の新刊『東大生に教える日本史』
2023年2月20日、株式会社文藝春秋から本郷和人教授による新刊『東大生に教える日本史』が発売されます。東京大学史料編纂所に所属し、一般の学生への講義を行わない本郷氏ですが、2022年には特別に教養課程の学生向けに講義を行いました。その中で、日本の歴史の中に潜む「ルール」を見出そうとした試みが、本書に盛り込まれています。
本書は、東大生をはじめ歴史に興味を持つ中学生、高校生にとっても多くの学びを提供してくれる内容となっています。本郷氏は、教科書で学ぶ日本史が単なる暗記に留まっていることを指摘し、歴史を生きたものとして再考することの重要性を訴えています。
本郷和人教授のメッセージ
本郷氏は、「日本史は過去の出来事をそのまま受け入れるものではない」と言います。著作の中で、織田信長や徳川家康といった歴史的人物の行動をどのように意味づけるのかは現在も変わり続けていると述べています。史実そのものは変わることはありませんが、その解釈や理解は時代とともに進化していくのです。これにより、読者は思考する楽しさを味わうことができると本郷氏は期待しています。
書籍の構成
本書は複数の講義内容を元に構成されており、各回ごとに異なるテーマを設定しています。たとえば、最初の講義では鎌倉幕府の誕生が取り上げられ、東国と朝廷の関係が探求されます。また、次回では元寇とそれに対する日本人の反応、さらには室町幕府の成り立ちについても詳しく解説されます。
さらに、信長や秀吉といった戦国時代の人物に焦点を当て、彼らが日本史に与えた影響についても深く掘り下げられています。最終講義では江戸時代から近代への移行が考察されています。
書かれている内容は、単なる歴史の事実にとどまらず、その背景にある人間ドラマや当時の社会環境、文化にも触れられています。このため、読者は歴史を立体的に、感情的に理解することができるでしょう。
読むべき理由
『東大生に教える日本史』は、ただ歴史を学ぶだけではなく、考えることの楽しさを提案しています。日本史における様々なルールや価値観を探求することで、歴史の魅力を再発見できる一冊です。そして、この本が受験生や歴史初心者にとっても、確かな知識と深い理解をもたらしてくれると期待されます。
本書は、文春新書から刊行され、情報が盛りだくさんでありながらも読みやすい形式で編集されています。興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
本郷和人教授は、1960年に東京で生まれた日本中世史の専門家です。数多くの著書を持ち、特に歴史学の魅力を常に追求し続けており、ゲームや漫画の監修等にも力を注いでいます。彼の書いた作品は幅広いジャンルで読まれ、多くのファンに支持されています。
書誌情報
- - 書名:『東大生に教える日本史』
- - 著者:本郷和人
- - 発売日:2023年2月20日
- - 定価:990円(税込)
- - 判型:新書判
- - ISBN:978-4-16-661483-7
- - 書誌URL:文春新書