新たな水管橋診断システム「CorroSensing」が提供開始
TDSE株式会社と東海鋼管株式会社が協力し、画期的な水管橋の劣化診断システム「CorroSensing」を発表しました。このシステムは、特にインフラの老朽化が深刻化する中での定期点検に対する新しいアプローチを提供します。
システムの背景
令和5年に施行された省令改正により、水管橋の定期点検が義務化され、特に重要な管路については2年ごとの点検が求められるようになりました。一方で、従来の点検方法は目視や触診に頼り、人手や時間がかかるため、効率的な点検業務の実施が難しい状況でした。
CorroSensingは、こうした課題を解決するために開発され、高精度な点検を可能にするAI技術やドローンを活用しています。このシステムは、限られた人員で広範な点検を実施できるよう設計されています。
CorroSensingの機能
CorroSensingは主に以下の二つの機能を持ちます。
1.
腐食・錆の検知、自動分類
ドローンで撮影した画像をシステムにアップロードすることで、AIが腐食や錆のある箇所を検知し、異常度を四段階で分類します。これにより、迅速な改善が必要な箇所を特定できます。
2.
点検レポートの自動生成
検査結果はパノラマ画像形式で出力され、どの部分にどの程度の腐食があるかを示すレポートが自動生成されます。この情報は、そのまま自治体の点検管理に利用でき、経年での劣化予測や保全計画の策定にも役立ちます。
導入効果
CorroSensingの導入により、点検業務の省力化が図れるだけでなく、点検品質の向上が期待されます。特に、自治体においては、点検管理表の作成が効率化され、保全予算の最適化にも寄与します。
また、点検コストの削減だけでなく、水管橋の劣化を早期に把握し、安全性を高めることで、社会インフラの信頼性を向上させることができます。 経年比較を行うことで、劣化度の予測が可能になり、効率的な点検頻度の設定とより安全な運用が実現します。
まとめ
今後、CorroSensingは水管橋だけでなく、さまざまな社会インフラの劣化診断にも適用される予定です。この革新的なシステムは、社会インフラの保全と安全の向上に向けた重要なステップといえるでしょう。TDSEと東海鋼管は、持続可能なインフラ運用の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。