北欧の洋上開発から学ぶ国際連携とスピード
近年、北海における洋上風力市場では、浮体式技術を用いた大規模な開発が急速に進んでいます。その背景には、国、研究機関、企業が役割を分担し、港湾インフラや系統整備を一体的に進める「連携の仕組み」が存在します。特にスウェーデンやノルウェーでは、国が海域を指定し、制度設計をリードしながら企業や港が協働する体制が確立されており、これにより事業者は不確実性を減少させ、計画から建設までのスピードを向上させています。
一方、日本においては、地質や地盤に関する初期データの不足が開発の遅延やコスト増の要因となることがしばしばあります。浮体式洋上風力や長距離海底ケーブルの敷設に関しては、活断層や海底地すべり、ガス湧出などのリスクを初期段階で理解していなければ、許認可や環境影響評価、設計過程での手戻りの可能性が高まるからです。特に、地震などの自然災害が多頻発する国である日本では、陸上だけでなく海域におけるリスクも考慮しなければなりませんが、そのための調査には大きなコストがかかります。
この文脈において、日本の科学技術研究機構である産業技術総合研究所(産総研)の地質調査総合センター(GSJ)が50年以上にわたって整備してきた海洋地質図が重要な役割を果たす可能性があります。この海洋地質図は、日本近海の広域な地盤条件や堆積物の分布、さらに構造的リスクを体系的に示すデータベースです。研究者の専門的な知見を加えることで、浮体式基礎形式の選定やケーブルルートの初期調査を大幅に効率化できる可能性があります。
このウェビナーでは、北欧の先進的な事例から学びつつ、日本における洋上開発の課題を整理し、海洋地質図とその研究者の知識が洋上風力や海底ケーブル開発にどのように応用できるのかを掘り下げる内容となります。
開催概要
日時:2026年1月13日(火曜日)11:00~12:00(Live配信)、1月15日(木曜日)16:00~17:00(録画配信)
参加費:無料
視聴方法:オンライン配信で、ブラウザからアクセス可能です。
推奨対象者
- - 浮体式洋上風力デベロッパーや電力事業の開発部門に関わる担当者
- - 地盤、基礎、海底ケーブルに関する初期評価、ルート設計を担当している技術責任者
- - 環境影響評価や許認可の企画を担当する方々
- - 地質ハザード評価などを盛り込む提案や入札を行うマリン・コンストラクター、EPCI企業、技術コンサルタント
- - CCS(Carbon Capture and Storage)や海底パイプライン、通信ケーブル敷設を扱う方々
本ウェビナーに参加することで、日本における洋上開発における課題をより深く理解し、その解決策を見出す手助けとなるでしょう。サンプルデータに基づいた実践的な知識を提供しますので、ぜひご参加ください。
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産総研イベントページ
連絡先:AIST Solutions イベント運営担当 E-mail:
[email protected]
今後も多彩なテーマでウェビナーを開催予定です。皆様のご参加をお待ちしております。