クラウドゲーミング「OOParts Engine」の譲渡
株式会社ブラック(東京都港区)が、自社が開発したクラウドゲーミング基盤「OOParts Engine」を、同じく東京都に本社を置く株式会社エイシスへと譲渡しました。このシステムは、ビジュアルノベルゲームや美少女ゲームを様々なデバイスでプレイ可能にするために設計されたものです。
OOParts Engineの魅力とは?
「OOParts Engine」は、特許を取得した革新的なクラウドゲーミング技術を基にしており、数分で既存のソースコードを変更せずにクラウド環境へ移行できる効率性が特徴です。これにより、数千人のユーザーが同時にプレイすることができ、ゲームの体験を大きく向上させてきました。
また、「世界で最もコスト効率の良いクラウドゲーミングエンジン」を目指して、Wineやコンテナ、GPU共有技術を活用し、コスト削減にも成功しています。これに伴い、エイシスではこの技術を用いて、「DLsite」でのゲーム配信に新たな可能性をもたらすことが期待されています。
エイシスと「DLsite」について
株式会社エイシスが運営する「DLsite」は、国内のエンターテインメント作品を幅広く配信するプラットフォームで、ユーザー数は1470万人、取り扱い作品数は170万を超えています。エイシスは、商業ゲームだけでなく、個人クリエイターの同人ゲームもサポートしており、近年ではPC専用ゲームをスマートフォンでプレイできる「DL Play Box」のサービスも展開しています。これにより、クラウドゲーミング技術の活用による新たなサービスの発展が期待されます。
OOPartsのサービス終了とユーザーへの対応
しかし、譲渡に伴い「OOParts」はサービスを終了します。これにより新規アカウント登録はすでに終了し、現在月額課金中のユーザーには1ヶ月分の料金が返金されることが発表されました。また、クラウドゲーミングのデータは「OOParts」のサーバー上に保存されていたため、ユーザーが大切にしているセーブデータについてはエクスポート機能が提供されることとなりました。この機能は2025年10月31日まで利用可能で、それ以降は個人情報の削除が行われるため、利用者は安心してデータをエクスポートすることができます。
まとめ
「OOParts Engine」の売却は、エイシスにとって大きなステップであり、今後のゲーム配信サービスの質を向上させる契機となるでしょう。同時に、OOPartsの長年のサービスを支えてきたユーザーへの感謝と、最終的な対応策を明確にした点は企業としての責任感を感じさせます。5年間のサービスに感謝しつつ、新たな展開に期待が寄せられています。