大阪のオフィスマーケット現状と展望
2025年第2四半期における大阪市中心部のオフィスマーケットが、コリアーズ・ジャパンの最新レポートにより明らかにされました。その結果、貸主優位の市況に移行しつつあることが分かりました。特に、賃料の上昇が急速に進んでいる要因や、空室率の安定した推移についての詳細が提供されています。
空室率と賃料の動向
2025年第2四半期の大阪市の新規供給量は約10,600坪に減少。一方で、ネットアブソープション(テナントの新規契約の面積)は10,100坪であるため、空室率は3.3%で横ばいを維持しています。この状況は、大型オフィスビルの新規供給が当面の間少ないことが大きな要因とされています。結果として、需給バランスがタイトになることが予想され、賃貸市場は今後も持続的に上向くと考えられています。
特に賃料は昨年と比較して2.1%上昇し、坪単価は18,200円を超えました。梅田エリアを筆頭にすべての主要エリアで賃料が上昇しており、新築ビルだけでなく既存物件でも地価が引き上げられる傾向が見られます。この流れは、ビルオーナーが建替えを検討し始める要因ともなっており、今後数年間で新たな供給やテナントの移転需要が高まる可能性があるでしょう。
エリアごとの賃料上昇の概要
1. 梅田エリア
空室率は3.6%へと0.4ポイント低下し、新築ビルで残空室の消化が進んでいます。このエリアの賃料は25,400円に達し、前期比で1.9%上昇。新たに供給された物件に留まらず、既存ビルの賃料も相次いで引き上げられる形となり、全体の賃料水準を押し上げる要因となっています。
2. 中之島エリア
4.2%まで空室率が0.1ポイント減少し、賃料は23,700円となり、前期比で2.7%の上昇を見せました。主要エリアの中でも最も高い上昇率が記録され、梅田に次いで高い賃料水準が維持されています。
3. 淀屋橋エリア
こちらは4.9%へと2.6ポイント上昇。これは一部ビルの空室が影響しているようですが、賃料は19,400円に達し、前期比2.5%の上昇を見ています。新築ビルの契約が進展していることが影響しているでしょう。
4. 本町エリア
空室率は微増し4.3%となり、賃料は15,800円となっています。ここでも賃料の上昇は続いており、梅田エリアの高騰を受けたコストパフォーマンスを重視するニーズが増加しています。
5. なんばエリア
空室率が0.1ポイント低下し0.8%と最も低い水準を保持。一方、賃料も17,200円に上昇しましたが、需給のバランスが良く安定した市況が展開しています。
6. 新大阪北エリア
空室率は変わらず1.1%と低水準を維持し、賃料は16,200円に達しています。中之島に次ぐ高い上昇率が見られています。
2026年以降の展望
2026年以降も新規供給量の予測は限られており、需給のタイトな状況は続くと考えられています。空室率の低下と共に賃料水準は持続的に上昇する見込みであり、特に2027年にはグレードAオフィスの供給は無いと予想されています。これにより、現行の需給環境はさらに厳しさを増し、ビジネスオーナーやテナントがどのように対応していくかが注目されます。
この「大阪オフィスマーケットレポート」は、詳細なデータと分析が掲載されており、以下のリンクからダウンロード可能です。詳細を理解し、戦略を立てるためにぜひご利用ください。
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