片丘ワイナリー物語
長野県塩尻市は、ぶどうの栽培に適した土地として知られ、ここ数十年で急速にワイン産業が発展してきました。特に、片丘地域はその中でも目立つ存在となっています。ここでのワイン醸造用国際品種ブドウの栽培は、完全に本格化し、まもなく半世紀になります。
ワイナリーの増加
2001年には片丘地域に6つのワイナリーが存在しましたが、2019年にはその数が15にまで増加しました。この間、新たにワイン用のブドウを栽培する農業者が加わり、片丘は信州ワインバレーのフロンティアとして注目されています。誰がこの地域でワイン造りをしているのか、またその背景にはどのような思いがあるのか、私たちは各ワイナリーのリーダーたちの物語に耳を傾けることにしました。
四人のリーダーたち
片丘のワイナリーは、三つの主要な造り手によって支えられています。「ドメーヌ コーセイ」の味村興成氏、「丘の上 幸西ワイナリー」の幸西義治氏、そして「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード」の高瀬秀樹氏です。加えて、地域づくりとワインブランドの確立を支えているのが、片丘ワイン振興協議会の小松千万蔵氏です。
- - 味村興成氏は、神奈川、山口、静岡を経て、ボルドーでの留学を経て、パリに駐在。そこの経験を生かし、「ドメーヌ コーセイ」では片丘の特性を生かしたメルロをレシピとして発展させています。
- - 幸西義治氏は、山口から長野に移り、塩尻市観光ワインガイドやワイン大学を経て、地元の自然を生かしたブドウの栽培に励んでいます。
- - 高瀬秀樹氏は、自らのヴィンヤードとワイナリーを持ち、片丘のテロワールを最大限生かしたワイン造りに情熱を燃やしています。彼はボルドーと勝沼での学びを組み合わせ、「シャトー・メルシャン 片丘ヴィンヤード」を立ち上げました。
これら三人のリーダーは、各々が抱く片丘への思いや、ワイン造りへの情熱を持ち寄っています。
片丘ワイン振興協議会の活動
片丘ワイン振興協議会は、片丘の農業振興を目的とする団体であり、地域のリーダーたちが集まり活動しています。この協議会は、遊休農地の活用といった実践的な取り組みを通じて、地元の農業の発展を図っています。小松氏は、この協議会を通じて片丘ワインの魅力を伝え、地域全体の発展を目指しています。
片丘の未来
片丘地域は、今後もワインを通じて新たな地域の魅力を創出していくでしょう。栽培される国際品種のブドウや、各ワイナリーの特色あるワインが国内外で評価されることで、さらなる観光促進につながっていくことが期待されています。リーダーたちが携える思いとともに、片丘ワイナリーは新たなフロンティアへと歩みを進めています。
この地の醸造家たちの情熱と努力が、信州ワインバレーの新しい伝説を築き上げることでしょう。これからも片丘の物語から目が離せません。