サーチャー溝口氏が実現したMBOによる新たな事業承継の形

サーチャー溝口氏によるMBOの成功

2020年11月、岡山県に本社を構える建設業者において、サーチャー溝口勇樹氏がMBO（マネジメント・バイアウト）を成功させるという新たな試みが実現しました。これを支えたのは、山口キャピタルが運営するYMFG Searchファンドです。今回は、このプロセスに深く迫り、その可能性を探ります。

MBO実現の背景

MBOとは、経営者が自ら株式を取得し、企業の経営権を得る手法です。このMBOは、特に事業承継の場面で引き継ぎ先を見つける難しさが増す中で、近年注目されています。YMFG Searchファンドは、2020年1月から当社が抱える事業承継の課題解決に向けて、溝口氏が代表を務めるサーチファンドSPCの株式を一部保有しました。これにより、企業価値の向上に向けた施策を練ってきました。

具体的な協議とMBOの決定

今年、溝口氏はMBOの希望を表明し、YMFG Searchファンドとの間で詳細な協議が行われました。協議の結果、YMFG Searchファンドが保有するSPC株式を全て譲渡することが決まり、これにより溝口氏が当社の経営権を獲得することとなりました。この一連の流れは、サーチファンドを通じて初めて実現した国内の事例として特筆に値します。

サーチファンドの理念

サーチファンドとは、将来的に企業経営を目指す人材、いわゆるサーチャーが、投資家から資金を調達して既存の企業を承継する仕組みです。このモデルは、欧米を中心に発展してきたもので、日本でも徐々に広がりを見せています。山口キャピタルは、地方における事業承継の問題を解決し、地域の中核企業を育成するために、このサーチファンド事業に取り組んでいます。

山口キャピタルの役割と未来像

山口キャピタルは、「金融（エクイティ）の力で地域を変革する原動力となる」というミッションを掲げ、国内初のサーチファンド事業を展開しています。山口、広島、福岡などの主要地域に限らず、全国の中小企業に対しても支援を行っています。特に、サーチファンド事業は地域経済における事業承継の選択肢を増やす重要な役割を果たしています。