Irysの買収によりLocationMindが目指す未来
最近、LocationMind株式会社が100%子会社のAdvertisementMindを通じて、位置情報ビッグデータビジネスを展開する米国のIrys, Inc.の株式を全て取得したことが発表されました。
LocationMindの背景と戦略
LocationMindは東京大学発のディープテック企業で、位置情報や宇宙ビジネスを展開しています。現在、約80カ国で位置情報データを取り扱い、中東や東南アジア市場を中心に事業を成長させてきました。Irys社の買収によって、米国市場に対するアクセスを強化し、特にこの市場は位置情報産業においてのシェアが40%以上を占める大きな成長ポテンシャルを秘めています。
Irysについて
Irysは、ニューヨークを拠点とし、規制に従って収集したモバイルGPSデータを基にした大規模データセットを提供している企業です。約150カ国でのビッグデータ配信を行い、ユニコーン企業や公共機関など多様なクライアントにデータを提供しています。Irysのデータセットは、企業が抱える様々なデータ分析ニーズにも対応しています。
買収の目的
今回の買収の主な目的は、LocationMindが位置情報を起点にした広告やマーケティングの新しい事業領域を構築することです。Irysが持つデータビジネスは、人間の活動から得られるデータを基にしており、店舗や駅など特定の場所からのサービスを提供するpinable事業との相乗効果が期待されています。これにより、広告企業との連携が進み、効率的なマーケティング戦略の構築が可能になります。
運営陣からのコメント
LocationMind 代表取締役CEO 桐谷直毅 は、「IrysとのM&Aは当社にとって大きな転換点です。より多くのデータを自社で提供できることで、さらなる事業成長に繋がることを期待しています」とコメント。
LocationMind 取締役CFO 小川竜馬も本株式取得の意義について、「このM&Aは我々の成長戦略の重要な柱となり、Accelerationの機会を提供します」と述べました。
*
Irysの創業者も「LocationMindとの提携で新しいビジネスチャンスを創出できることを嬉しく思い、双方の技術のシナジーによる革新的なソリューションを提供できると信じています」と期待を寄せました。
今後の展望
LocationMindは、空間情報領域でのリーダーシップを確保するため「State of the Art Geospatial AI Model」の開発に挑戦しています。AI技術を通じて、過去、現在、未来のデータ分析が可能な技術を提供し、社会の様々な課題解決に貢献できると考えています。商業データのビッグデータ化が進む中、Irysの買収を通じて、世界中の顧客のデータ分析ニーズに応え、より良い社会の形成に寄与することが期待されます。
LocationMindは、今後も位置情報データの提供を通じて、より良い意思決定を支援し、グローバルな市場展開をさらに加速させる方針です。また、高度な分析技術を持つプロフェッショナルの育成を進め、誰もが簡単にリアルな世界のデータ分析を行える環境を創出することを目指しています。これにより、LocationMindは世界のデータ分析の未来を切り拓いていくでしょう。