2025年LIFULL HOME'Sマーケットレポート概要
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、2025年7~9月の「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」を発表しました。このレポートは、日本国内の賃貸及び中古不動産市場の状況を把握するための重要な資料です。本記事では、その主要なポイントを詳しく解説します。
LIFULL HOME'Sマーケットレポートとは
LIFULL HOME'Sマーケットレポートは、同サービスで掲載された物件データやユーザーからの問い合わせを元に毎月集計し、翌月の25日頃に公開されます。情報はエリア別に整理され、面積や駅徒歩分数、築年数などの詳細も提供されており、不動産業界のトレンドを把握するのに役立ちます。特に、2021年2月以降のデータに基づいており、信頼性の高い情報源とされています。
賃貸市場の動向
2025年9月のデータによると、賃貸物件の平均掲載賃料は、首都圏でシングル向け86,635円、ファミリー向け143,502円、近畿圏ではシングル向け62,240円、ファミリー向け87,746円といずれも過去最高を記録しました。特に東京23区における賃料は、シングル向けで118,778円、ファミリー向けで239,287円となり、いずれも前年同期比で大きな上昇を見せています。
福岡市も注目に値し、シングル向き67,610円、ファミリー向き134,579円という賃料上昇率は全国的にも顕著です。LIFULL HOME'S総研の渋谷雄大氏は、都心部の賃料相場が強い影響を与えていると指摘しています。
中古マンション市場の変化
中古マンション市場でも同様のトレンドがあり、2025年9月の平均掲載価格は、首都圏のシングル向けが4,740万円、ファミリー向けが5,200万円、近畿圏ではシングル向けが2,722万円、ファミリー向けが3,129万円となりました。特に東京23区のファミリー向け中古マンションは初めて1億円を超え、150.6%の前年比上昇を見せています。
また、価格上昇にともない、都心の築浅物件の掲載比率が増加し、具体的なエリアにおける二極化が一層鮮明になっています。
中古一戸建ての需要と供給
中古一戸建て市場では、ファミリー層の購入意欲が高まっています。2025年9月の平均掲載価格は首都圏で3,798万円、東京都が6,138万円となり、中古マンションに比べて安定的な価格推移が見られます。
市場全体のトレンドとしては、賃貸物件から購入への需要がシフトしており、特に中古一戸建ての人気が高まっています。2022年のデータでは、賃貸物件の問い合わせが減少する一方で、購入に対する問い合わせは増加しており、これにより一戸建て市場が活性化しています。
まとめ
2025年度のLIFULL HOME'Sマーケットレポートからは、都心部での高額なマンション需要が拡大しつつあり、郊外ではリーズナブルな一戸建て需要が強まるという二極化の動向が明らかになりました。これに伴い、今後の住宅選びにおいて消費者たちは自身のニーズに合った選択を迫られることになるでしょう。今後の報告も注目が集まります。